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(写真・神奈川新聞社)

箱根山・大涌谷の火山活動に伴い、一部区間で運休が続いていた箱根ロープウェイが26日、全線で運行を再開した。立ち入り規制が敷かれていた大涌谷園地も一部を除いて規制が解除され、約1年3カ月ぶりに解放。午後から小雨が降るあいにくの天候にもかかわらず、箱根観光の“再始動”を待ちわびた多くの観光客でにぎわった。

 

午後1時。箱根ロープウェイが運休していた早雲山-大涌谷間(1・5キロ)の運行を再開し、全線(4キロ)が開通。早雲山駅では乗客が列をなし、ロープウェイから噴煙地を下に見る空中散歩を楽しんだ。

 

一番乗りした北海道三笠市の会社経営者(52)は「広い範囲で木が枯れているのが分かり、(火山活動という)自然の力のすごさを実感した」と話した。

 

園地では、午前9時に規制が解除されると、観光客の車が続々と駐車場に吸い込まれた。「体に疾患がある人は同乗していますか?」。駐車場を管理する県公園協会のスタッフが火山ガスへの注意を呼び掛け、おしぼりをドライバーに手渡した。車を降りた観光客らは早速、園地内を散策。新たにできた火口などから上る白い噴煙を、展望台などから写真に収めた。

 

多くの観光客の楽しみの一つが、名物・黒たまご。奥箱根観光は同日、園地内の土産物店「くろたまご館」での販売を再開した。妻(25)と長女(1)と一緒に初めて食べた、山梨県早川町に住む公務員(26)は「硫黄の香りが良く、味もおいしい」とほお張った。

 

箱根町によると、26日は約4,700人が来場。体調不良を訴えた観光客はいなかったという。山口昇士町長は「人を引きつける大涌谷の魅力を今後も安心して楽しんでもらうため、より一層安全対策を講じたい」と強調した。

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