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(写真・神奈川新聞社)

あなたたちを忘れない-。相模原市緑区の障害者施設「津久井やまゆり園」で入所者ら46人が殺傷された事件から間もなく3カ月。犠牲になった19人の「お別れ会」が16日、同園で開かれた。遺族や職員ら約400人が犠牲者との別れを惜しみ、冥福を祈った。

 

「あなたはディズニーランドが大好きで、体調が悪い時でもミッキーマウスの歌を口ずさんでくれましたね。いつか一緒に行ってみたかった」

 

犠牲者の遺影と花が、壇上に飾られた体育館。入倉かおる園長は命を奪われた一人一人の名前を呼び、言葉を詰まらせながら人柄や思い出を紹介した。

 

会は非公開。園や出席者によると、施設を運営する社会福祉法人「かながわ共同会」と入所者の家族でつくる「みどり会」の共催。午後2時から約1時間半、体育館で開かれ、事件後に別の施設に移動した多くの利用者も参列した。

 

全員で黙とうし、みどり会の会長は「事件から83日を経た現在も、悲しみと無念さの淵に沈んでいます。ささやかな幸せが30分余りの残忍な犯行で踏みにじられ、悔しさでいっぱいです」と別れの言葉を述べた。共同会の理事長も「今回の蛮行を絶対許さない。園の再生を天上から見守ってください」と遺影に語り掛け、黒岩祐治知事のメッセージも読み上げられたという。

 

最後に全員がカーネーションを献花。参列後、知的障害がある兄が入所している60代の主婦は「今でも事件が信じられない。いつになったら元の落ち着いた生活を取り戻せるのか」と困惑した様子で話した。

 

時折小雨が降ったこの日も、園の前に置かれた献花台には、花束や菓子などを供えて手を合わせる人の姿があった。

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