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(写真・神奈川新聞社)

 

46人が殺傷された相模原市緑区の障害者施設「津久井やまゆり園」の再生を巡り、県は10日、横浜市内で障害者関係団体や有識者の意見を聞く公聴会を開いた。現在地で全面的に建て替える県の方針に疑問を呈する声が相次ぎ、職員教育や地域交流促進などソフト面の充実を求める声も上がった。

 

27団体、13人の有識者が参加。建て替えについては「地域福祉サービスの充実ぶりや今後の人口減を考慮すると、大規模施設の再建は不適切」(県手をつなぐ育成会)、「大規模施設は時代に逆行。地域で生きるために予算を使ってほしい」(神奈川・「障害児」の高校入学を実現する会)など、否定的な意見が多かった。入所経験のある車いすの男性は「地域で普通の生活をしたいというのが当事者の本音」と訴えた。

 

県知的障害施設団体連合会は「本当に困ったときに相談できるのは、24時間365日やっている入所施設だけ。地域生活を支えるためにも必要」と主張し「定員を維持しつつ分散化を」と要望した。

 

公聴会では、ソフト面の充実を求める声も多く上がった。県はロボットなど最新技術を駆使して防犯体制を強化すると同時に「開かれた園」とする方針を打ち出したが、県肢体不自由児者父母の会連合会は、元職員の犯行である点を踏まえ「内側から起こる事案への対応という点では(構想案に)不備がある」と指摘。職員の相談態勢や研修の充実を求めた。

 

県障害者施策審議会委員の鈴木孝幸さんも「外部からの襲撃が前提になっている。職員教育や県民の理解徹底が必要」と訴えた。地域交流については「一時的な触れ合いではなく、日常的な交流を」(県手をつなぐ育成会)という意見があった。

 

県は意見を踏まえ、3月末までに基本構想をまとめる。