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(写真提供:鎌倉市観光協会/神奈川新聞社)

 

7月開催予定の鎌倉花火大会の実行委員会は10日、ことしの大会中止を決めた。事務局を務める鎌倉市観光協会が実行委からの退会を表明し、協賛金集めなどの準備が間に合わないためとしている。実行委と協会が会見し、明らかにした。

 

協会は職員の人件費などに充てる市の補助金約4,600万円が削除されて協賛の依頼や契約業務ができず、「協会が存続できるかも分からない状況」として、同日開かれた実行委で退会を報告。代わって事務局を務められる団体がないことから、実行委は「7月の実施は見送らざるを得ない」との結論に至ったという。

 

実行委は市や鎌倉商工会議所など20団体以上で構成。市市民活動部の奈須菊夫部長は「鎌倉観光の目玉行事が実施できず大変残念。苦渋の選択として中止の判断はやむを得ない」とした上で、「時期をずらして実施する可能性は否定しない」と言及。協会の井手太一会長は「(協会存続のため)前向きな努力を続けたい」と強調した。

 

協会によると、69回目を迎えることしは7月19日に由比ケ浜・材木座海岸沖合で、海へ投げ込まれた花火が海上で扇形に開く目玉の「水中花火」を含め2,500発を打ち上げる予定だった。予算は約3,700万円。このうち協賛金は約2千万円で、市が支出する行事費負担金と安全対策費が計約970万円を占める。

 

大会は1948年、終戦間もない市民の慰労や戦没者の鎮魂のため始まり、昨年は約15万人が訪れた。これまで悪天候や東日本大震災の影響以外で中止になったことはない。

 

協会への補助金を削除する2017年度市一般会計当初予算は、市議会が2月定例会で可決。市議会側が協会理事会の議事録と就業規則の提出を求めたが協会が提出しなかったため、一部の市議が「責任を持って議決することができない」としていた。

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