(写真・神奈川新聞社)
横浜市港北区の小机城が「続日本100名城」(日本城郭協会)に選ばれたのを記念し、「小机城フォーラム2017」(実行委員会主催)が20日、同区の城郷小机地区センターで開かれた。地元住民、全国の城郭マニアら約300人が参加。落語家の春風亭昇太さんのトークなどで、山城として多くの遺構が残る小机城の魅力を再確認したほか、小机城を拠点にしたイベントやツーリズムなど地域活性化への期待が熱く語られた。
現在は小机城址市民の森となっている小机城は、規模の大きな空堀など多くの貴重な遺構が残っている。県内では小田原城が「日本100名城」に選ばれていたが、ことし4月発表の「続日本100名城」で、石垣山城(小田原市)とともに選ばれた。
フォーラムでは、城歩きのエッセーもある春風亭昇太さんと、城郭ジオラマ製作の二宮博志さんが対談。昇太さんは「小机城は中世の城の香りが残っている。堀の底でうっとりしてしまう」と絶賛。「地元の人がその魅力を知り大事にしてほしい。特に、その魅力を子どもたちに伝えることが大事だ」と訴えた。二宮さんは「まだ本格的な発掘が行われていない。まず発掘しなくてはいけない」と述べ、発掘により、さらに魅力が高まる可能性があることを指摘した。
地元町内会、商店街、NPOの代表による座談会も開催。鶴見川流域ネットワーキング代表の岸由二慶大名誉教授は「小机城は地域の歴史、自然、防災などの拠点。近くにはスポーツ拠点もあり、さまざまなツーリズムができる」と指摘。城郷小机地区連合町内会長で小机城址まつり実行委員長の防後優子さんは「子どもたちに小机城を学んでもらい、地域を好きになってもらいたい。若い力で小机城址まつりを盛り上げていきたい」と決意を語った。
また、女優の五大路子さんも登場し、同区内に位置し、小机城と密接な関係のあった篠原城を題材にした語りの楽劇「まぼろしの篠原城」を10月28、29日、港北公会堂で上演することを報告した。