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(写真・神奈川新聞社)

 

神奈川県は7日、ふるさと納税の返礼品を送付する対象者について、12月1日以降は県外居住者に限定すると発表した。過熱する“返礼品合戦”の抑制に向けた国の通知を踏まえた対応だが、県民からの寄付は全体の約6割を占めており、影響は必至。県は「競争自粛の趣旨は理解するが、減収は避けられない」としている。

 

県は2016年4月、「返礼かながわ体験ツアー」と銘打った返礼制度を導入。ディナークルーズやセーリング、ホテル宿泊など、寄付額に応じた53品目の体験型ツアーを売りに、増収と観光客誘致を目指している。

 

導入初年度の寄付総額(個人)は、15年度の約1・8倍に当たる7,894万円(2,303件)。17年度も7月末時点で2,129万円(506件)が集まっており、返礼制度が一定の効果を上げている。このうち県内居住者からの寄付は、16年度が約63%、17年度が約55%で、いずれも過半数を占めている状況だ。

 

総務省が4月に返礼品競争の自粛を求めた通知は、返礼品を納税額の3割以内に抑えるとともに、「当該自治体の住民に対し返礼品を送付しないように」と求める内容。県は周知期間を設けた上で、県民への返礼を11月30日受け付け分までとする方針を決めた。寄付額「100万円以上」の区分も同日で廃止する。

 

ふるさと納税を巡っては都市部を中心に個人住民税の減収につながっており、16年度の個人県民税は約75億円の赤字という。

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