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(写真・神奈川新聞社)

 

横浜市内の公共施設やJA(農協)の支店などで、脳の活性化を図る「脳活」の企画が盛んに行われている。アロマセラピー(芳香療法)や音楽療法、脳トレのレクリエーションなどの違いはあるが、共通点は認知症の予防を目的とすること。課題は「本当に必要な人」の参加を促すことだ。

 

同市都筑区の仲町台地区センターが24日に開いたのは「脳活アロマ講座」。アロマセラピストの坊垣順子さんを講師に、40~70代の男女10人が受講した。

 

坊垣さんは、植物から抽出した高濃度で揮発性のある精油の香りで嗅覚を刺激すると、記憶をつかさどる脳の海馬が活性化し、認知症の予防につながると考えられていると説明。受講生は数種類の精油の香りをかぎ、室内で使う昼用と夜用のアロマスプレーを作った。鶴見区から受講した男性(78)は「姉に認知症状が出始め、自分も気になり参加した。大変参考になった」。同センターは「来年度もぜひ開催したい」と話す。

 

戸塚区内の老人福祉センター市戸塚柏桜荘では10月から来年3月まで、第1・3金曜に「いきいき脳活音楽療法講座」を実施。午前中に2時間、約20人の参加者が音楽療法士の資格を持つ指導者の下で脳活を図る。「腹式呼吸で、ときには手や足でリズムを取りながら歌い、会話の時間も交えて脳の活性化に期待している」と同施設。

 

JA横浜は「農協DE脳強」と銘打ち開催。午前中に脳トレ専用の映像DVDを使い、「間違い探し」などのレクリエーションを楽しむ。昼に地場産の食材を使った弁当を食べた後、午後は地域ケアプラザ職員ら外部講師を招き、認知症予防の講話を聴き、体操などを行う。参加費は1回500円。5月から始まり、各回約50人が参加。12月19日に瀬谷支店で開かれる第6回で今年は終了となるが、「60歳以上で興味のある方は気軽に参加を」とJA横浜=問い合わせは電話045(942)2312=は呼び掛ける。

 

脳活の講座は多様だが、アロマ講師の坊垣さんは「講座を受けに来る人は心配ない。認知症の恐れがあるのは、人付き合いがなく家に引きこもっている人」と指摘。脳活が本当に必要な人の参加を促すことが、課題の一つとなっている。

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