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(写真・神奈川新聞)

 

湘南・三浦半島エリアのハイキングガイド本「湘南ハイク 鎌倉・逗子・葉山・横須賀・三浦の山歩き」(山と溪谷社)がこのほど出版された。四季を通じてハイキングを楽しめる低山を中心に16コースを考えたのは、鎌倉市に住む同社の下中順平さん(36)。神社仏閣や海沿いの店など、登山前後に立ち寄れる多彩なスポットを紹介。初心者や親子連れも気軽にできる山歩きの魅力を伝えている。

 

起伏ある道中にのぞく開放的な海の眺め、子どもたちの遠足の定番・源氏山公園、山道に突如現れる「お城のよう」なれんが造りのカフェ……。JR北鎌倉駅から約2時間の「葛原岡・大仏コース」。下山後は鎌倉大仏殿高徳院、四季の花木が彩る長谷寺などが待つ。

 

掲載しているのは鎌倉、逗子・葉山、横須賀・三浦の3エリア。初心者も挑戦しやすい標高200メートル前後の山を中心に2~5時間で巡る日帰りのコースにまとめた。近くの史跡や地元で長く愛される飲食店、土産店なども紹介している。イラストの地図に見晴らしの良い地点などの見どころを各10カ所ほど掲載し、写真もふんだんに盛り込んだ。

 

「山へ一歩を踏み出すハードルを下げたかった。山のある町には、いろんな楽しみ方があることを知ってもらえたら」と下中さん。行楽シーズンに行き先の選択肢が広がるよう、春の出版と決めていた。地元のライターや山好きとも協力し、コースやお店を半年かけて巡った。

 

東京で生まれ、幼い頃から父に連れられて家族で山を歩いた。自然好きが高じ、6年前から鎌倉で暮らす。誰もが気軽に楽しめる山歩きを伝えたかったのは、自身の経験からだ。

 

長女(6)が生まれて歩けるようになってから、保育園の同級生家族とも山へ出掛けた。これまで険しい山道に挑んできたが、家族一緒に歩く山が楽しいと思うようになった。

 

山で感じる喜びは人それぞれ違う。それでも「同じ道を歩き、楽しい時間を共有できることがうれしい」。友人からは初心者でも歩きやすい山を尋ねられることも多く、需要があるはずとの思いを後押しした。

 

「自分の足でたどり着く楽しさ。次に待っている景色が見たくて、先に進もうと思う」と山歩きの魅力を語り、「それぞれの楽しみを見つけ、広がるきっかけになれば」。眼下に広がる鎌倉の住宅街と海を横目にほほ笑んだ。

 

A5判で127ページ。定価は1500円(税抜き)。問い合わせは、同社電話03(6744)1900。

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