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(写真・琉球新報社)

【久米島】久米島町嘉手苅にことし4月、スウェーデン料理の店「SMAKAKA(スモーカーカ)」が開店し、地域の交流の場として親しまれている。開店したのはスウェーデンから島に移住したアンナ・エドベリさん(53)。日本語をあまり話せないアンナさんをサポートしようと、地域の女性たちが店を手伝っている。料理はもちろん、アンナさんとの英語での会話を楽しみに来店する客も多く、店はにぎわいを見せている。

 

スウェーデン・イエーテボリ出身。レストランのシェフやマネジャーとして数百人の従業員を束ねていた経験を持つ。

 

日本の大学で学んでいた息子が2014年、日本人女性と結婚。息子夫婦らと共に観光で訪れた座間味村で、沖縄の海に魅せられた。「沖縄の離島に自分の店を出したい」と思い立ち、久米島で古民家を購入。スウェーデンから3回通い、自分で家の一角を北欧風の飲食店に改装した。

 

店では日替わりランチが好評だ。野菜を多く使うこと、パンやクッキーなども自分で作るなど、料理に強いこだわりを持つ。自家菜園で育てたハーブや野菜も使用する。「私の料理は長い時間がかかるが、スウェーデンではそれが健康のために重要なことだ」と語る。

 

現在、地域の女性4人が交代で、店の接客をボランティアで手伝っている。英語を学ぼうと手伝い始めた饒平名たみさん(48)は「自分の世界観も広がる。アンナさんには島の生活を思う存分楽しんでほしい」と語る。

 

「久米島の人は好奇心旺盛でとてもフレンドリー」と話すアンナさん。「私は冒険が好き。店は3年は続けるが、その後のことはそれから考える」と笑顔。「まるでリビングのように人が集まる店にしたい」と展望を語った。(内間安希)

 

※注:SMAKAKAの最初の「A」は上リング付きA

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