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親泊さんが制作した部分模型や詳細な図面、写真、映像など沖縄の歴史的な木造建築を紹介している「沖縄大工親泊次郎の仕事展」=南風原町喜屋武の南風原文化センター
(写真・琉球新報社)

「沖縄大工(ウチナーセーク)親泊次郎の仕事展」(同展実行委員会、南風原文化センター主催)が4日、南風原町喜屋武の同センターで始まった。社寺建設や木造住宅など数々の建築に携わった親泊さんの巧みな建築技術を部分模型や写真、映像などで紹介。沖縄の歴史的な木造建築を分かりやすく解説している。18日まで。

 

石垣市出身の親泊さん(83)は、中学卒業後に船大工として3年間修業を積んだ後、木造建築の道に進んだ。1965年に「次郎組」を立ち上げ、沖縄の伝統的な木造の復活に努めてきた。首里城の復元や糸満市の真壁ちなーの保存復元にも携わった。99年には那覇市長田に木造3階建ての自宅を建設。木のつなぎ方など沖縄独特の工法を取り入れた。

 

今回の展示会のために親泊さん自ら組み立て模型を制作した。また、県内で一番古い木造建築物「桃林寺」(石垣市)の補修や再建に役立てようと調査した詳細な図面も展示されている。地鎮祭など建築用語と民俗についても分かりやすく解説している。

 

実行委員会の委員で、建築アトリエトレッペン代表で1級建築士の照屋寛公さんは「沖縄の伝統建築は、風土や文化に人間が合わせるように造られている。親泊さんは独学で建築を学び、2級建築士の資格も持っている。設計図を書くことから建物の内・外の作業まで何でもできる本来の大工」と話す。

 

同委員で国建常務取締役の平良啓さんは「大工を取り上げたこれまでにない企画展。若い人たちに伝えたい貴重な記録だ。民間で木造の工法はほとんど使われなくなったが、今のライフスタイルに合わせて継承していってほしい」と参観を呼び掛けた。

 

「親泊次郎の仕事展」は午前9時から午後6時。水曜休館。入場無料。

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