(写真・琉球新報社)
【うるま】「輝く農業女子!!」をテーマにした農業者研修会(市農業委員会主催)が13日、JAおきなわ具志川支店で開かれた。市内の女性農業者5人によるパネルディスカッションが行われ、これからの農業について実務に携わる観点から語った。
花卉(かき)農家の金城恵美子さん、照屋栄子さん、野菜農家の国吉千景さん、金城和子さん、兼城はるみさんがパネルディスカッションした。農業経営や後継者づくりの難しさ、栽培や販売方法の工夫などで語り合った。
具志川西熱田原でサヤインゲンやゴーヤーなどの栽培をする兼城さんは、朝市の活用や学校給食との連携で農業経営する。「安全安心な野菜作りをするため、土づくりに力を入れている。もうからないけど、おいしさでは誰にも負けない」と経営理念を説明した。
石川楚南で葉野菜などを栽培する国吉さんは、若手女性の就農希望者の研修も受け入れている。女性が1人でも管理できる農業が目標。農業を始めた1年目に虫の食害に遭い一念発起、土づくりの勉強から始め軌道に乗せた。「子どものいる女性にとって農業は素晴らしい職業だと思う」と指摘。「客から『おいしい』と言われた時や食育活動で子どもたちの喜ぶ姿は励みになり、うれしい」と話した。
照屋さんは、具志川西熱田原でフトイやオクラレルカなど花卉栽培に精を出す。若手就農者へのアドバイスでは「孤立しないで皆に相談すること。人と人とのつながりが大切」と指摘。ベテランの農家には「温かい目で見守る、手伝う、声を掛けると助かる。彼らは私たちと同じ道を歩いている」と呼び掛けた。
金城恵美子さんは兼箇段でガーベラや小菊を栽培する。消費者ニーズや女性の感性を生かした品種選定に取り組む。新規就農者へは「自然との闘いで毎月の収入に変動はあるが、補助金などいろんな制度資金を活用するのも手。情報を得る場にはとにかく参加して」と話した。
市赤野田場港原で小菊やオクラなどを栽培する金城和子さんは、農業経営の喜びについて語った。「給食センターへオクラを提供した際、孫が『オクラが出ていたよ』と言ってくれた。そんな時はお金の問題じゃなく、本当にやって良かったと思う」と話した。
会場からは規格外商品の扱い方などの質問が出て、パネリストからは、各地域の朝市に出品したり、加工品にしたり、もうけはないが、子ども食堂に提供したりしている事例が紹介された。