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教員採用試験への口利きを否定する安慶田光男副知事=18日午前、県庁
(写真・琉球新報社)

 

2015年に行われた公立学校教員候補者選考試験(教員採用試験)で、安慶田光男副知事が特定の受験者を合格させるよう、県教育庁に働き掛けていた疑いがあることが18日、県教育庁関係者の話で分かった。関係者によると、教育庁内部で協議し不正行為に当たるとして、依頼には応じなかった。ただ、疑惑が深まれば採用試験の公正性に疑義が生じかねず、副知事としての資質が問われる可能性もある。記者団に対し安慶田副知事は同日「やった覚えはない。あり得ない。弁護士と相談し対応する」と、疑惑を否定した。

 

一方、翁長雄志知事は記者団に「本人が覚えがないと言っている」と述べ、事態を見守る考えを示した。

 

関係者によると、安慶田副知事は15年7月の1次試験の後、複数の受験者の氏名や受験番号を記した紙を県教育庁の職員に渡し採用を依頼したという。働き掛けは数回にわたったとみられる。これを受け幹部らは集まって協議し、試験結果には影響させないことを決めた。

 

教育庁関係者は取材に対し「(合格を)依頼されたのは、1次試験の後に3~4人程度」とし、見返りを提示するようなものではなかったという。また「番号と名前を書いた紙を見た」と話した。副知事の要望に対しては、県教育庁の一部で検討し「結果を触ったりすれば大変なことになる。そんなことはできない」と応じなかったという。

 

県教育庁学校人事課によると、内定者は個人名を伏せた形で決定されるという。平敷昭人県教育長は取材に対し「そうした報告は受けていないし、あり得ない。制度上、受験者個人が分からない形になっており、採用に影響を及ぼすことはできない。採用試験は公正に実施している」と述べた。また「調査についても考えていない」とした。

 

15年実施の教員採用試験の受験者数は4404人で、合格者総数は451人だった。倍率は9.8倍だった。

 

安慶田副知事は、普天間飛行場移設に伴う名護市辺野古の新基地建設問題などを巡る政府・沖縄県協議会の作業部会で、県の代表として政府高官との交渉役を務めてきた。那覇市議時代から、翁長知事を支えてきた側近の1人。

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