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米軍普天間飛行場への配備から10月1日で5年となる垂直離着陸輸送機MV22オスプレイに関し、琉球新報は9月20、21の両日、周辺住民に対し低周波音の影響についてアンケートを実施した。同飛行場滑走路の延長線上に位置し、離着陸ルートとなっている宜野湾市の普天間や大謝名などに住む住民127人から回答を得た。

 

オスプレイ飛行時に「気分がいらいらする」など心理的な影響は約6割、「眠れない」など睡眠妨害は約5割、「頭痛」「耳鳴り」など生理的な影響は約3割が感じると答えた。「戸や窓が振動する」など物的な影響を感じている人は約7割に上った。低周波音による物的な振動に加え、心理的・生理的な不快感や圧迫感を住民が感じている状況が浮かび上がった。

 

アンケートは、オスプレイの低周波音が心身に及ぼす影響を明らかにすることが目的。2000年10月当時の環境庁大気保全局が低周波音の影響を調べる際のチェックリストの例を参考に、渡嘉敷健琉球大准教授の監修を得て質問を作成した。

 

回答を得た住民の中で「気分がいらいらする」「胸や腹が圧迫されるような感じがする」などの心理的影響を感じている人は63%(80人)で、感じていない人の37%(47人)を上回った。

 

「頭痛」「耳鳴り」など生理的な影響(126人が回答)は感じない人が72・2%(91人)を占め、感じる人は27・8%(35人)だった。「眠れない」「目が覚める」などの睡眠妨害は感じない人が52%(66人)と過半数を超えたが、感じると答えた人も48・1%(61人)いた。

 

オスプレイが配備された2012年以降の米軍機の騒音の変化(123人が回答)は「変わらない」が46・3%(57人)で最も多く、「悪化した」が43・9%(54人)、「改善した」は6・5%(8人)にとどまった。「変わらない」と回答した人の中には「以前はうるさいと感じたが、今は慣れた」「変わらずうるさい」などと感じる人が多く、恒常的に騒音が続いている状況が示された。

 

渡嘉敷琉球大准教授は「(窓や戸が振動するなどの)物的な影響だけでなく、心理的、生理的な影響も示されている。県は心理的、生理的な影響にまで踏み込んだ調査を実施する必要がある」と強調した。

 

低周波音は1秒間に100ヘルツ以下の空気振動で起こる音で、建具のがたつきなどを起こす。オスプレイに特有で従来の防音工事では防ぐことができない。

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