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沖縄振興開発金融公庫は17日、2016年度に国の教育ローンを利用した沖縄県内世帯の状況調査を発表した。世帯年収に占める教育費の負担割合は、年収200万円未満の世帯で106・0%と教育支出が年収を超えており、家計だけでは教育費の捻出が困難な状況になっている。島外進学に伴う住居費などで負担が大きくなる離島居住者だけで見ると、年収200万円未満の負担割合は115・9%まで高まり、教育負担が重くなっている。

 

沖縄公庫が16年度に教育資金を直接貸し付けた2372件(うち離島居住者は526件)を対象に、融資時点の世帯年収や教育費などを集計した。国の教育ローンは高校進学から利用できる。

 

利用者の世帯年収は県平均で400万9千円となり、離島だけで見ると381万8千円と全体より低い水準だった。これに対して教育にかかる年間の支出は、入学費用が県平均の152万円に対して離島は182万円8千円、在学費用は県平均の118万4千円に対して離島が127万2千円と、離島が県平均を上回った。

 

離島の世帯は、子どもの自宅外通学に伴う住居費支出が県平均の倍以上になるなど、教育費による家計負担が大きい。沖縄公庫調査課は「世帯年収が高いほど県外への進学率も高くなっており、世帯年収が進路選択に影響を与えることがうかがえる」などと分析した。

 

その上で「家庭の経済状況や居住地域によって学生の教育環境が制約されることのないよう各方面の支援拡充を期待したい」と指摘した。

 

沖縄公庫では就学機会の向上に向けた金融面の支援として、離島在住者を対象に教育ローン金利を優遇する「教育離島利率特例」の貸出限度額を150万円まで引き上げたほか、母子家庭が対象だった利率特例を父子家庭にも広げるなどの対策を取っている。

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