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(図・琉球新報)

 

もともと髪の色が薄かったりくせがあったりする生徒が、生まれつきのものであることを証明するための「地毛証明書」について、沖縄県内の県立高校全60校のうち、約87%に当たる52校が生徒に提出させていることが3日までに琉球新報社の調べで分かった。

 

多くの高校が生徒の染髪やパーマを禁止する中、染めた色を戻さなかった場合に「帰宅指導」として教室に入れなかったり、式典に参加させなかったりなど、学校活動への参加を制限すると答えた学校が18校(30・0%)あった。17校(28・3%)は髪を染めて卒業式に来た生徒はその場で黒いスプレーで染め直させていた。

 

調査は12月、全60校に電話で聞き取りをして行った。1校は担当者が不在で回答しなかった。

 

証明書を求める理由として学校側は「染髪やパーマだと誤解して、地毛の生徒に不要な生徒指導をすることを避けるため」と説明している。「生まれつき」を証明するため、46校は保護者の面談や署名、16校は幼少時の写真提出を求めた。

 

ただ「親も地毛だと言っているのに、文書まで出させるのはおかしい」と保護者から苦情を受けたと答えた学校もあった。生徒からは「悪いこともしていないのにチェックされて嫌だった」などの声が上がった。

 

地毛を確認する背景には染髪を厳しく禁止する校則がある。「生徒はすでに社会人として働いており指導は不必要」とした定時制1校を除き、回答した全校が校則で染髪を禁止していた。染髪した生徒には黒く染め直す、変色させた部分を切るなどの指導が行われる。染髪を禁止する理由は「就職や進学に不利」「ルールは守らなければならない」などさまざまだった。

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