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販売が中止となる可能性がある「うしさんありがとう酪農牛乳」

 

【宮古島】沖縄県宮古島市で唯一、牧場を営む農事組合法人が1月末で酪農部門を廃業する意向を示していることが25日までに分かった。牧場の土地建物を昨年取得した市内の企業と同法人の間で事業方針を巡って調整が付かなかった。廃業すれば生乳の出荷は止まり、市内唯一の乳製品加工業者「元気生活」が販売する牛乳の製造も中止となる。学校給食への牛乳供給は打ち切られ、2月から沖縄本島産の加工乳に代わる見込みだ。

 

県内では2001年4月から一時中断もありながらも、学校給食に牛乳を提供してきた。牛乳の継続的な提供が困難となるケースは宮古島市が初めて。

 

同法人などによると、牧場の土地建物は17年7月に競売に掛けられ、市内の企業が落札した。この企業は農業法人に土地を貸すことを拒否しているという。同法人は元気生活に事業を譲渡することも検討したが、話がまとまらなかった。

 

同法人は乳用牛約100頭のほか、肉用牛も飼育している。法人代表の男性は「酪農を継続したい気持ちはあるが、どうすることもできない。可能ならば落札した会社が続けてほしい」と話した。

 

県学校給食会によると、沖縄本島でも生乳が不足しており、加工乳を本島から輸送して対応することになる。給食への牛乳供給停止について、市教育委員会の宮国博教育長は「牛乳の提供を続けてほしいが、企業同士の話し合いに教育委員会が立ち入ることはできない。次善策として加工乳で対応していく」としている。

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