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琉球ガラス製の仏具をPRする(左から)RGCの眞榮城啓支配人、徳吉亮丞新事業創造課長=5日、糸満市福地

 

 

琉球ガラス村を運営するRGC(糸満市)が琉球ガラスを使った骨つぼや香炉など仏具の開発に取り組んでいる。陶器や漆器などのイメージが強い仏具だが、生前のうちから葬儀や墓などを準備する「終活」や遺骨の一部を身近に保管する手元供養の広まりからニーズの多様化が進んでおり、多彩な色合いを特徴とする琉球ガラスの新市場開拓につながると期待する。

 

RGCが開発しているのは、青や緑色など琉球ガラスらしい鮮やかな色を使った仏具だ。骨つぼや香炉のほか、ろうそく立て、花瓶などを販売する計画だ。今後、琉球ガラスを取り入れたお墓や位牌(いはい)の開発も進めていく。3年後に1億円の売り上げを目指す。

 

仏具には落ち着いた色合いのものが多いが、琉球ガラスの仏具なら生前に海が好きだった人は青色、太陽が好きだった人は赤と多彩な選択肢を提供できる。「琉球ガラスは自然を意識したデザインが多く、その人の個性が出しやすい」と徳吉亮丞・新事業創造課長は狙いを語る。

 

今年8月に東京で開かれる葬儀社向けの展示会「エンディング産業展」に出展し、琉球ガラス製仏具のPR展開を本格化させる。店舗に展示コーナーを設け、オンライン販売も進める。

 

葬儀・埋葬などの市場は高齢化社会が進行する中で拡大が見込まれる。「終活」の動きが広まる中、海への遺灰散骨や、遺骨の一部を手元に残すなど従来の葬儀の形にこだわらないニーズが高まっている。犬や猫などのペット向けでも需要があるとみており、徳吉氏は「洋間に仏具を置くことも増え、見せ方によってインテリアや癒やしになる。琉球ガラス仏具の需要が高まる」と強調する。

 

琉球ガラスは観光土産品としての販売が中心だが、2001年の米中枢同時テロの際には観光客が減り、経営にも影響が出た。「土産品から抜け出し、観光業の動向に左右されない市場を開拓したい。われわれが市場を開拓し、ほかの工房も一緒に取り組めればいい」と思いを語った。

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