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沖縄周辺で民間航空機の通航を制限して米軍が訓練する空域がこの2年間で大幅に広がっていることが25日までに分かった。既存の訓練空域に加え、米軍が必要に応じて使う臨時訓練空域「アルトラブ(ALTRV)」を新設する形式だが、実際は常時提供状態となっている。臨時空域の範囲は沖縄周辺の既存米軍訓練空域のほとんどを内包している。航空関係者によると、これらはほぼ毎日「有効」として発令され、民間機の通航を規制している。だが「臨時」名目のため、米軍の訓練空域を示して県などに情報提供される地図(チャート)には載っていない。米軍が訓練に使う空域面積は、既存空域の合計と比べ、少なくとも6割程度広がったとみられる。

 

国土交通省はこれらを自衛隊用空域の名目で設定。航空自衛隊は当初「米軍が使ったことはない」と否定していたが、後に「米軍と共同で使用することはある。米軍が単独で訓練を実施しているかは答える立場にない」と修正した。複数の航空関係者によると米軍はこれらの空域を日常的に使用している。

 

新たな臨時訓練空域の設定日は2015年12月。米軍は過去にもアルトラブを設定してきたが、既存の訓練空域を包むほど広大な範囲を設定するのは異例。

 

米空軍嘉手納基地が16年12月28日付で作成した資料「空域計画と作戦」は、沖縄周辺の訓練空域「見直し」によって、これらの空域は米軍が使用する「固定型アルトラブ」に設定されたと明記している。

 

嘉手納基地はこれら空域をアルトラブに設定している事実は認めたが、使用の頻度は「保安上の理由から訓練の詳細は言えない」とした。資料で言及した訓練空域「見直し」の時期や内容は「日米合意のためコメントできない」とした。

 

一方、管制関係者やパイロットが参照する航空情報は、この臨時訓練空域で「米軍の活動」が行われることを使用期間と併せて明記している。

 

空域を管理する国交省はこの空域を米軍が使っているかは「把握していない」としていたが、その後の取材に「米軍が使う許可は出している。内側で誰が何をしているかは把握していないという意味だ」と訂正した。

 

国交省の関係者は「民間航空の関係者からは、航行の安全のために訓練空域を削減するよう要請を受けてきた。それと逆行する動きだ」と指摘した。

(島袋良太、仲村良太)