国立沖縄戦没者墓苑で供花し、遺族らに声をかける天皇皇后両陛下=27日、糸満市摩文仁
天皇、皇后両陛下が27日、羽田空港から特別機で来県された。糸満市の平和祈念堂と国立沖縄戦没者墓苑に赴き、沖縄戦の犠牲者を悼んだ。来県は約4年ぶりで、両陛下が強く希望した。来年4月末に退位を控えており、在位中最後の沖縄訪問となる見通し。29日まで滞在し、28日には日本最西端の与那国島を初めて訪れる。
墓苑では県遺族連合会や県平和祈念財団の会長らが迎えた。天皇、皇后は供花台の前で頭を下げ、白菊の花を手向けた。その後、遺族ら一人一人に「長い間ご苦労さま」「お大事にね」などと声を掛けた。沿道では多くの県民が来県を歓迎した。
那覇市内のホテルでは、1962年から県と本土の子どもたちとの交流を目的に派遣が始まった「豆記者」と懇談。その後、翁長雄志知事が在沖米軍基地の現状や経済動向などを説明した。翁長知事は記者会見で「ご退位を前に両陛下をお迎えできたことは、県民にとってこの上ない喜びであり、心からの歓迎の意をお伝えした」と話した。
天皇、皇后は28日、与那国島を訪れ、世界最大級のガ「ヨナグニサン」や与那国馬などを視察する予定。久部良小学校では、地元の青年会や子どもらが伝統の棒踊りを披露し、交流する。
天皇は皇太子時代の75年に初めて来県した。93年には歴代天皇として初めて沖縄の地を踏み、その後も戦没者の慰霊を続けてきた。今回の来県は在位中6度目で、皇太子時代を含めると通算11回目。
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