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(写真 琉球新報)

 

2015〜16年度に沖縄県内の公立高校が妊娠を把握した生徒が全日・定時制を合わせて159人おり、このうち22人が自主退学していたことが県教育庁県立学校教育課のまとめで1日までに分かった。妊娠を理由に「説諭」の懲戒を受けた生徒が9人、「本人の学業継続が他の生徒に対する影響が大きい」として、休学または転学を勧められた生徒も1人いた。高校中退で望む職に就けず、孤立や貧困に陥りやすいとの指摘もある。識者は「学業を中断せずに生徒を支える体制をつくるべきだ」と求めている。

 

調査は17年10月、文部科学省が公立高校に通う女子生徒の妊娠・退学の実態を把握しようと、全国の公立3571校に実施。県内は全公立校が対象で、全日・定時制60校69課程。県立学校教育課が集計した。妊娠した生徒数は、全国2098人の7・5%にあたる159人(全日制107人、定時制52人)で、全日制のみでは全国の1割に上った。

 

妊娠した生徒の在学状況を見ると、妊娠・出産を理由に「自主退学」した生徒の内訳は全日制15人、定時制7人の計22人。学業を継続したのは、産前産後を除く期間通学した生徒が41人(全日制28人、定時制13人)などだった。懲戒を受けた9人と休学・転学を勧められた生徒1人は全員全日制の生徒で、休学・転学を勧めた理由としては、妊娠だけでなく、普段の生活態度などを総合的に判断したとの報告を学校側から受けたという。

 

このほか、全日制2校では、妊娠を理由とした懲戒基準が設けられていたが、県立学校教育課によるといずれも古い規定を更新していない例といい、懲戒の適用はなかった。2校とも調査後に同課の指導で規定を更新した。

 

妊娠を理由に懲戒を受けた生徒がいることについて、県立学校教育課の屋良淳班長は「妊娠した生徒本人の意思を尊重するのが基本だが、学校によっては認識に若干の違いがある」と説明する。その上で「妊娠を問題行動と捉えることがあってはいけない。生徒が就学継続を望む場合は安全を最優先にしてサポートしなくてはならない」と強調する。

 

若年妊産婦の支援の経験がある名桜大学非常勤講師の山内優子さんは「子どもの貧困対策として、一人でも多くの子どもを高校に行かせようと頑張っている中で、産むと決断した女子生徒に母親だけの役割を背負わせてはいけない。学業と子育てを両立できるような支援策が必要だ」と話している。(「彷徨う」取材班)