那覇バスの運転手・島袋一人さん、琉球バスの運転手・金城直子さん

 

バスの安心安全な運行に、日々力を注ぐ運転手さん。毎日の業務の流れは? びっくりした出来事は? そして運転手さん同士が交わすサインの意味は? レキオ記者が、あれこれ話を聞きました。

今回お会いしたのは、那覇バスの運転手・島袋一人(かずと)さん、琉球バスの運転手・金城直子さん。とても気さくで、笑顔が絶えないすてきなお2人です。

運転手さん同士のサインの意味は?

 

さて、記者には運転手さんにぜひ聞いてみたいことがありました。それは、2台のバスがすれ違った時に、運転手さん同士が交わしているサイン。これには、どんな意味があるんですか?

 

「基本的には、お疲れ様という挨拶です」と金城さん。「この先渋滞してるよーとか、スイスイだよーとか、ジェスチャーで情報を伝える場合もありますね」

 

なるほど~。合図は、マニュアルなどで決まっているのですか?

 

「いえ、特に決まりはなく、誰に教わったわけでもないのですが、たいてい意味が分かりますよ」と金城さんは笑います。

 

業務が終わりに近い時はバイバイとか、これから帰って飲むよ、といったメッセージを伝え合うこともあるそう。ジェスチャーだけで、意外に幅広いコミュニケーションがとれるのですね~。

 

入れ歯の忘れ物!?

 

次に「ビックリした忘れ物」について聞いてみましょう。

 

この質問には、島袋さんが「入れ歯です」と即答。なるほど、それは驚きです。落とし主も、さぞビックリされたでしょう。ほかに、車内に家の権利書など重要書類が入った封筒が置き忘れられたケースもあったそう(幸い、すぐに落とし主から連絡があり事なきを得たそうです)。

 

「忘れ物ではありませんが、ビックリした出来事といえば…。車内で急病人が発生したことがあります」と島袋さん。えっ、急病人!?それで、どう救護したんですか?

 

「その時、たまたま乗客に医療関係者が乗り合わせていて…。さらに、たまたま近くに病院があったんです。で、高校生が病院に医師を呼びに行くなど、乗客みんなで連携して救護活動にあたりました」

 

それはすばらしいエピソードですね!

 

乗客から元気もらう

 

「毎日利用している乗客は、どこで乗ってどこで降りるか覚えているので、いつもの乗客が乗らないと心配になります」(島袋さん)、「渋滞していると、乗客が会社や学校に遅刻しないかがプレッシャー」(金城さん)と、乗客への気遣いも欠かさない2人。

 

そんな運転手さんは日々、苦労が絶えないのでは? との記者の質問に対して、お2人は意外にも「難しいお客さんもいるけど、いいお客さんのほうが多い」(島袋さん)、「苦労はない。楽しいことばかり。乗客から元気をもらっています」とニコリ。

 

逆に、うれしかったエピソードはたくさんあるそうで、その一例を金城さんに教えてもらうと…。

 

「ある時、満席のバスにおばあちゃんが乗ってきたんですが、高校生たちはみんな携帯を見るばかり。それで、ある子に『席を譲ってあげて』って声を掛けたら、すなおに『すみません』と言って席を立ってくれました。そして降りる時に、『さっきは気が付かずにすみません。次から気をつけます。どうもありがとうございました』と言ってくれたんです。ジーンとしましたね」

 

うう、いい子ですね。感動的なエピソードです。

 

乗れば分かるバスの良さ

 

金城さんは「県民の皆さんにもっとバスに乗って、バスの良さを分かってほしい。まずは乗ってみて! とっても便利だから」とアピール。島袋さんも、「バスは車高が高く見晴らしもいいし、乗車時間を自由に使える。自分で運転してイライラするよりいいですよ」とバスならではの利点を話してくれました。県民のバス利用率が上昇することで、渋滞の解消にもつながりますよね。

 

今度バスに乗った時は、降車時に運転手さんに「お疲れさまです!」と声をかけたくなった記者でした。

 

安全への取り組みは?

 

運転手さんは、出勤後、バスに乗る前に点検を行います。タイヤの空気圧やライトが切れていないかなど、多数の項目をチェックし、安全を確認。最初は大変ですが、慣れればスムーズに行うことができるようになるのだとか。

 

乗車前には、その日の注意事項を確認。夏休みの期間であれば、ラジオ体操の子どもに注意とか、雨の日は車間距離を取るように心がけるとか、注意事項は日毎に変わります。もちろん、乗車前と降車後には、アルコールチェックも欠かしません。また、睡眠はしっかり取るように心がけているそうです。

 

絶景かな!運転手さんのおすすめ路線

 

島袋さん:おすすめ→25番線、97番線
夜景が好きなので、那覇市の安里から首里を結ぶ坂道(県道29号線)がお気入りです。首里の高台から、眼下に那覇の街の夜景を眺めることができる美しいスポットです。

 

金城さん:おすすめ→53番線
那覇と南城市百名を結ぶ路線。奥武島へ向かう道の眺めは絶景。奥武島でUターンする時、てんぷらを買う人や釣り人、海へ飛び込む子どもたちを見るのも好きです。

 

(2018年9月20日 週刊レキオ掲載)

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