古里の食材で驚く味を フレンチシェフ渡真利さん 地元に敬意込め創作
「この土地でしか食べられない食材に、驚きを足して提供したい」と話すシェフの渡真利泰洋さん=6日、宮古島市伊良部の「紺碧ザ・ヴィラオールスイート」

 

【沖縄・宮古島】「地元の食材を使って“驚き”を提供したい」―。宮古島市伊良部にあるホテル「紺碧 ザ・ヴィラオールスイート」のレストラン「Etat d’esprit(エタデスプリ)」で料理長を務めるシェフの渡真利泰洋さん(34)は、フランスや東京で学んだ知識や手腕を生かした本格的なフレンチのフルコース料理を提供している。味や香りはもちろん、その色彩や盛り方から、五感で食の豊かさを感じることのできる一皿が毎晩のテーブルを彩る。

 

渡真利さんは同市上野出身。20歳のころに上京し、求人広告で見かけたイタリアン・レストランで始めたアルバイトをきっかけに料理に携わった。

 

本格的に料理を学ぼうと、27歳でフランスへ。日本人シェフの有名店で働いた後、パリやバスクなどフランス各地を渡り歩き、料理を学んだ。

 

その中で、信条とする「土地の歴史や食文化を踏まえ、上質な素材を生かした料理をする」という「ガストロノミー」の考え方に出会ったという。「沖縄の、宮古島の眠っている食文化を呼び覚まして、その土地でしか食べられない料理を作りたい」

 

宮古島の言葉で畑を意味する「パリ」にかけて、島の畑で働く女性を言葉遊びで「パリジェンヌ」と呼ぶことにちなみ、コース料理「ムニュ・パリジェンヌ」を創作した。伊良部島のマングローブに生息するカニや宮古牛、ヤギなど、地元の食材をふんだんに使い、土着の食文化への敬意を込めた。

 

「宮古の食を盛り上げるのは、料理人だけでは料理はできない。素晴らしい食材を作る生産者の皆さんとともに歩み続けたい」と語る目には、尽きることのない情熱がほとばしる。

 

「最近になってやっと素材を調理できるという実感が持てている」という渡真利さん。「将来は、世界中の人が料理を食べたくて宮古島に来るレストランを築き上げたい」と意気込みを語った。

 

※注:Etatの「E」はアキュートアクセント付き

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