(写真:琉球新報) 画像を見る

終わりますね、2018年が。残りわずかですね、平成も。

 

ギリギリですが、今年の締めはやっぱりこの人。

 

そう、安室奈美恵さん。

 

9月に引退しましたが、出身地・沖縄は年末まで熱かった。安室熱、続いていましたよ。

 

9月の引退後の沖縄県内の動きを振り返りながら、あの忘れられない夏の感動を今一度、噛みしめたいと思います。

 

■今も見上げてしまう

 

まずは、これ!(手前味噌ですみません)

 

琉球新報本社ビル正面の巨大写真「安室スクリーン」。縦17メートル、横5メートルの笑顔の安室さんが微笑む。沖縄の観光名所「国際通り」の正面に位置し、多くのテレビや新聞、ラジオなどにも取り上げていただきました。2018年夏のインスタスポットのひとつになった…よね。

 

ず~~~と残しておきたかったのですが、名残惜しくも、10月1日に撤去作業を行いました。

 

「台風の影響でたまたま飛行機が飛ばなかったからギリギリ見に来ることができた」という観光客の方や「仕事にかこつけて見に来ました」というビジネスマンの方達に見守られながら、1枚1枚シートがはがされていきました。

 

スクリーンの掲示期間は8月29日~9月30日までのわずか1ヶ月間だったのですが、ふとした時に、今でもビルを見上げてしまうのは、私だけではない??

 

■半年ぶりの「集結」

 

年の瀬も迫った2018年12月21日には、約半年ぶりの「安室奈美恵を語る会」が那覇市内のライブハウスで開かれました。仕掛け人は、安室さん引退関連番組でひっぱりだこだった音楽ライターの平賀哲雄さん。最後のCDアルバムに収録され、16年ぶりの小室哲哉氏による楽曲となった「How do you feel now?」で幕開け。会場に集まったファンがマイクを握り、引退後の安室さんの楽曲との向き合い方などを語り合いました。

 

安室さんがデビューした年に生まれたというケンジさんは、九州・沖縄サミットのイメージソングとなった「NEVER END」を歌う安室さんを生で見てファンに。

 

首里出身で、最初は同郷というきっかけで「あ、がんばっているな~、応援してあげよう」という気持ちで見ていたと話すのはもーりーさん。その後、留学先でもずっと聞くようになり支えとなった。「応援してあげよう、からいつしか自分が励まされる側になり、今は尊敬の気持ち」と語りました。大分県在住のジョーさんは、「Baby Don’t Cry」のミュージックビデオで道をまっすぐ歩く安室さんの姿に「かっこいい。こんな人になりたい」と釘付けに。安室さんの引退後、寂しい気持ちのままではダメだと奮起し地元でファン同士の集いを開催。元祖・語る会仕掛け人である平賀さんの「引退したからと言ってその音楽が消えるわけではない。音楽を語り継いでいくことは文化的にも娯楽的にもすごく大事。安室奈美恵の歌を引退するまで聞いたことがなかったという世代に伝えていくためにも」という言葉に背中を押され、福岡で20~30人規模のファンの集いを開催。今後も開催したいと決意を語りました。

 

■親子2代でファン

 

会場には安室さんのミュージックビデオの衣装を真似た服装で来たファンの姿も。中でも会場の皆を驚かせたのが、親子2代のコスプレ参戦。

 

優花さんとその母親・絹代さん。安室さんと同年という絹代さんは「同い年でこんなすごい人がいるんだ」と力をもらい続けてきた。若い頃は子育てに必死だったが、子育てが落ち着くと安室さんのライブDVDを見るようになり、娘と2人でライブに行くように。この一年で一気にファンの知り合いが増えたという優花さんは「今までは母親と2人だったが、引退の日は、全国のファンのみんなと寂しさを分かち合うことができてよかった」と9月の引退を振り返りました。優花さんは時々、安室さんが夢に出てくるそう。「寝れば会える!」と、引退後に最強の力を身につけた??

 

沖縄で安室ファンが集まる「アム会」を開催してきたまりあさんは「いつか安室さん本人もこっそり紛れ込みたくなるようなアム会を開催したい」とファン同士の交流の場への思いを語りました。

 

2時間超、互いの安室愛を語り合った「語る会」。最後は平賀さんの「終わりではなく、未来に向けて」という思いから「この場所から未来へ」という歌詞が印象的な安室さん作詞の「Say the word」で幕を閉じました。

 

■壁いっぱいの…

 

琉球新報社の巨大安室スクリーンが撤去された後も、安室さんがほほ笑んでいる場所がありました。タワーレコード那覇リウボウ店。安室さんへのメッセージを記入した無数のハート形の付箋紙が引退後も貼られ続けています。日本語のみならず、英語やアジアの国々の言葉、小さな子どもが書いた絵やメッセージも。幅広い国籍や世代の人に支持されたアーティストだったのだとあらためて感じる空間が広がっています。

 

年明けには新しい掲示物に変わる予定とのことですが、12月いっぱいは愛にあふれた掲示を見ることができるそう。所狭しと貼られているハート付箋ですが、安室さんの顔は避けて貼られているのがなんとも、ホッコリ、みんなの愛を感じます。

 

安室さんの出身地沖縄は、2018年の最後の最後まで安室愛にあふれていました。

 

~この記事を書いた人~

仲井間郁江(なかいま・いくえ) 2006年琉球新報社入社。編集局経済部、東京報道部、社会部、政治部などを経て、4月から経営戦略局で琉球新報Style編集などを担当。口を開けば「安室愛」を語る日々。好きな色は「金」。

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