セクハラ問題のニュースが今年に入っても相次ぎ「これは問題で変えていこうという動きの広がりは希望です」と語る小島慶子さん=16日、那覇市泉崎の琉球新報社

 

一昨年米国で起こった女性への性暴力にノーの声を上げる「#Me Too」(私も)運動に端を発し、昨年4月の財務省事務次官のセクハラ問題など、一連の動きを受けて、日本もようやく「セクハラ・性暴力は許さない」という意識が高まっている。企業への女性幹部登用など、エッセイストでタレントの小島慶子さん(46)に話を聞いた。

 

(聞き手・知花亜美)

 

声上げる勇気 応援を

 

―これまでセクハラや性被害を受けても泣き寝入りすることが多い状況が日本では続いてきたが、昨年は「許さない」という機運が高まった。

 

「明らかにこれはニュースであり問題であり、あってはならないことが起こっているという認識が広がったのは大きな進歩だった。今年に入り、週刊誌『SPA!』が「ヤレる女子大学生ランキング」という記事を掲載した。それを知った都内の女子大生が『これはひどい』として立ち上げた署名運動があっという間に何万人へと広がった。しかもSPA!の編集部と建設的な対話の場が設けられた。明らかにまた一つ次のフェーズに変わってきている。セクハラや性暴力はいけないことだという認識が広がり、さらにだれかが変えてくれるのを待つのではなく、自分でできることから変える動きを取ろうという人が増えたことが私にとっては希望だと思った」

 

―この状況を維持するにはどうしたらいいのか。

 

「声を上げられる勇気がある人は、まだそんなに多くない。私たちにできることは声を上げた人を応援することだと思う。『ありだよね』『かっこいいよね』という空気をつくっていくことが大事だ」

 

女性幹部登用 多様性広げる

 

―男性中心の企業組織にも一因がある。これを変えていくにはどうしたらいいか。

 

「日本は先進国の中でも圧倒的に女性幹部が少ない。女性幹部を増やす利点は二つある。一つは、これまでなかった女性の視点が、決定権を持つ立場で生かされること。もう一つは女性幹部が増えることで『女の人といってもいろいろいるんだな』という“女性の視点は多様だ”という認識が広がること。一人しか女性がいないと、その人が女性代表であるかのようになる。たとえば、現在閣僚の中で女性は片山さつきさんしかいないが、彼女が女性代表のように思われてしまう。多様な女性がいれば、女性だから登用する、とか、女性の意見だから聞くではなく、その人の見識や経験がリスペクト(尊重)されていくと思う」

 

―正直、男性並みに働き上を目指すのはしんどい。

 

「団塊世代が後期高齢者になり、だれもが介護に携わらなければならない時代が来る中、今まで家事や介護に無縁だった男性たちも巻き込まれていく。これまでのような24時間企業戦士で滅私奉公、マッチョな働き方は難しくなる。共働きで家事や育児の経験がある男性も増えている。そもそも女性の幹部候補はまだ母数が少ないので、女性の管理職を増やすだけではなく、そのような定型から外れた男性も一緒に巻き込んでいくと早道になると思う」

 

こじま・けいこ 1972年生まれ。
95年にアナウンサーとしてTBSに入社。
2010年に退社し、現在はタレント、エッセイストとして、テレビ、ラジオ、雑誌など多様なメディアで活躍中。
14年、オーストラリア・パースに移住し、日本と行き来する生活をしている。著書多数。

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