沖縄でピザが独自進化 ソーキそば…県産具材、島への愛のせ
うちなーすばピザを紹介する比嘉賢二取締役(右)はイメージキャラクター「パルコック」のモデル。おきなわマルゲリータをPRする白川努代表=4月25日、うるま市のピザパルコみどり町店

 

沖縄県民の食卓にもすっかり広がったピザに、沖縄料理や県産素材をのせる独自のアレンジが増えている。沖縄発チェーン店は大胆にもソーキそばの具材を「全部のせ」する新メニューを開発。世界的チェーン店はポーク玉子などをのせた沖縄限定ピザを発売した。個人経営の専門店はゴーヤーをふんだんに使ったピザを提供する。シーミーや旧盆でも食されるようになったピザは老若男女に親しまれ、“うちなースタイル”で独自の進化を遂げている。

 

「ヌーヤガウリー(これは何だ)」とチラシに盛り込むほど、インパクト大の「うちなーすばピザ」を季節限定で販売するのは、県内でピザパルコ18店を展開するピッツォフーヅ(うるま市、白川努代表)だ。

 

昨年、県産ブランドのトマト「OKIレッド」を使った「おきなわマルゲリータ」が大ヒットしたことから、今年は「わったーうちなーピザ党」を宣言。これまで以上に地元色を前面に打ち出している。

 

うちなーすばピザは新商品の企画会議で、白川代表が焼きそばパンをイメージして沖縄そばを持参し、比嘉賢二取締役が「ソーキをのせたい」と持ってきたことからたまたま誕生した。紅しょうがのアクセントが効いて広島風お好み焼きに似た味だ。

 

砂川仲成企画開発本部長は「単純に注目を集めたい。他とは違う特色を出したいという考えもある」と語る。意識するのは「沖縄限定」でてこ入れを図る世界的チェーン店だ。

 

「県民からは『グローバルチェーン店』という認知でしかなかった」。こう指摘するのは県内12店舗を持つドミノ・ピザだ。世界大手だが、県内での認知度を上げ、親しみやすさを打ち出そうと、店長やスタッフから「うちなーによる、うちなーのためのピザを考えよう」と声が上がった。

 

地元スタッフをはじめ、公式ツイッターをフォローする顧客らがアイデアを持ち寄り、コンビーフハッシュやポーク玉子などをトッピングした4種類を開発。1月から販売している。

 

メニューには「玉城さん絶賛」「外間さん太鼓判」と「うちなー名」も加えられた。価格を引き下げたことから予想の2倍以上の売れ行きで、第2弾企画も計画している。

 

那覇市与儀の「ばーすぬ家」は2004年の開店当初からゴーヤーピザを販売している。うちなーんちゅおなじみの「ポチギ」、粗びきこしょうのパンチのある辛さと、ゴーヤーの苦みが絡み合うくせになる味だ。

 

瑞慶覧尚オーナーは「どうしても県産品を使いたかった。全部食べてもらいたい」と笑う。同店は「オキナワン・ピザ・スタイル」を打ち出し、元祖沖縄ギョーザ「琉珉珉」のギョーザを使ったピザも提供するなど「沖縄味」にこだわっている。

 

各店がうちなースタイルのピザを提供する理由は、経営戦略や差別化などさまざま。ただ、一つ共通しているのは「沖縄への愛」だ。県産食材を使い、県民に親しんでもらおうと試行錯誤するピザ店。うちなースタイルの味は今後も進化を続けそうだ。

(仲村良太)

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