「第41回 まちクリーンin那覇」に参加した皆さん。イベントは今年で4年目を迎えたそうです 画像を見る

 

那覇市の公設市場や国際通り周辺を定期的に清掃しているボランティアの中にちょっと変わった活動をしている方々がいるみたいです。なんでも、その日回収した中から、一番面白いゴミを決定しているそうです。面白いゴミとはどんなゴミでしょう。気になるので調査してください!(那覇市 リル・おばぁ)

 

面白いゴミ? なんだか不思議な言葉ですね(笑)。インターネットや知人伝いにいろいろ調べてみると、それらしい清掃活動のイベントを発見した調査員。どうやら「まちクリーンin那覇」という名前で、月に1度行われているようです。調査員は今月7日に行われた第41回の活動に参加してみました。

 

ゴミの持つストーリー

イベント当日、朝8時に牧志公設市場前の集合場所を訪れると十数名の方々が集まっていました。子どもから大人までさまざまな人が参加しています。全員が軽く自己紹介をしたあと、参加者は2チームに分かれ、清掃が始まりました。

 

「まちクリーンin那覇」の清掃活動は、公設市場周辺のアーケード街と国際通りの一部を中心に行われます。基本的な活動は道端に捨てられているゴミ拾いです。この日調査員が同行したチームは公設市場北口をスタートし、桜坂から国際通りの北側を清掃しました。

 

清掃中は、同じチームになった人同士おしゃべりをしながら、ゴミを拾っていくのですが、「これを捨てたのはどんな人?」「ここは酔っ払いがよく座るからゴミや落とし物が多い」など、ゴミが捨てられた状況について想像していきます。そうやって冗談交じりに語り合い、特に話題になったものが、その日の「おもしろゴミ大賞」にノミネートされるのだとか。

 

ゴミ拾いを終え、集合場所に戻ってみると、そこには「大賞」にノミネートされたゴミが集められていました。この日の「おもしろゴミ」は、なぜか屋外に放置されていたビールジョッキに、買い物用と思われるメモの一部、リュックサックの肩紐部分、将棋の「香車」の駒など。ゴミを拾った人がそれぞれの見解で、そのおもしろさについて発表していきます。

 

例えば、前述の香車の駒だと、「これは道端で対局してた人が、ハンデの差を埋めるために捨てたに違いない」といった具合。発表する人が想像力を働かせ、ゴミにストーリーをつけているようです。どの発表も個性的で、調査員はどのゴミが大賞を獲ったか忘れるほどでした(すみません)。

 

清掃活動のあとは、那覇市を中心に展開するお店「ポークたまごおにぎり本店」の清川勝朗さんが参加者にアイスコーヒーを振る舞ってくれました。清掃後に、コーヒーを飲みながら談笑するのもイベントの一部だそう。

 

身の丈の社会貢献

第1回目の「まちクリーンin那覇」から参加しているという清川さん。無理をしない範囲でこれまで清掃活動を続けてきたそうです。活動は参加者同士の交流も大切にしているので、「アイスコーヒーとゆんたく(おしゃべり)に掃除が付いてくる、くらいの気持ちで参加してくれれば(笑)」と清川さんは話します。

 

「おもしろゴミ大賞」も参加者同士の交流から生まれたそうです。ゴミを拾っていると、自動販売機の裏や、細い路地など普段とは違う視点から街を見ていることに気づきます。一緒に清掃活動をした人同士ならば、「ここは同じ人が定期的に空き缶を捨てているね」というように普段とは違う視点を共有できることも。もちろんゴミのポイ捨てはマナー違反ですが、「おもしろゴミ」という発想は、清掃活動に参加した人だけが味わえる楽しみとなっているのです。

 

参加者が街を楽しみつつ、地域にちょっと役立つことをする。「まちクリーンin那覇」は、誰もが参加しやすい「身の丈の社会貢献」なのだと清川さんは語ってくれました。

 

「おもしろゴミ」も見つかる「まちクリーンin那覇」は、毎月第1日曜日の朝8時より行われています。清掃活動は2時間程度。参加希望の方は、開催日に牧志公設市場北口を訪れてみてください。

(2019年4月18日 週刊レキオ掲載)

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