「家族より深いがもろい」 「バンド」の意味と向き合う作品 MONGOL800ドキュメンタリーの山城竹識監督
MONGOL800のドキュメンタリーを製作した背景について語る山城竹識監督=那覇市の琉球新報社

 

沖縄県出身のロックバンド、MONGOL800(モンパチ)のドキュメンタリー「MONGOL800―message―」(山城竹識監督)の全国上映が5日から始まった。20周年ツアーの映像や3日に脱退した儀間崇(ギター・ボーカル)の切実な思いとともに、今後のモンパチについて上江洌清作(ベース・ボーカル)、髙里悟(ドラム・ボーカル)が赤裸々に語っている。製作した山城監督に話を聞いた。

 

山城監督はモンパチ3人の母校である浦添高校の後輩で、高校時代から3人を見続けてきた。映像製作に携わり、ツアーライブなどを撮影したり、MV(ミュージックビデオ)を製作したりして、モンパチ3人を記録してきた。「いつか世に出そうと思い、3人の姿を撮ってきた。MONGOL800を通して沖縄にはびこる問題や沖縄の声をメインにドキュメンタリーにしようと思っていた」

 

映画の前半は、昨年の初アルバムを引っさげたツアー公演や今年2月の日本武道館のライブが映し出される。「結成20年の節目ということで、当初から20周年ツアーを中心に映画を撮っていた。この時のツアーはライブに行くたびにすごいと感じた。観客の盛り上がりも最高によく、(モンパチ)本人たちもとても楽しそうだった」

 

日本武道館では開演前に粒マスタード安次嶺がメンバーに向けて「(20年前を)思い出していこう! 思い出そう!」という言葉を残した。「粒さんの言葉は大きかった。その言葉で3人は20年間の全てをライブにぶつけることができたと思う。清作さんも『今までで一番のライブ』と語っていた」

 

作品は儀間の脱退の意向を知ったことで大きく変わる。「脱退なんて誰もが予想しなかったし、正直これ以上カメラを回し続けていいのかと思った」と打ち明ける。「脱退について3人から『バンドっぽい』という言葉が出てきた時に、バンドをテーマにしようと思った。親友や家族よりも深いが、あまりにももろい。そんな『バンド』の意味を映画に残したかった」

 

後半の40分は儀間、上江洌、髙里それぞれにカメラを向け、脱退のこと、モンパチのこれまでのことをありのままストレートに語っている。「本当は作品をつくること自体が嫌で、語りたくなかっただろうし、今でも映画にしてほしくないと思っているはず。でも支えてくれたファンのために、応援してくれた県内外の人々に対して3人は話さないといけないと思ったから、撮影に応じてくれて、ありのままを話してくれた」

 

山城監督はこれからも3人を追い続けるという。「後輩として、一ファンとして、これからも見続けていきたい。可能な限りカメラに収めたい」
(金城実倫)

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「MONGOL800―message―」は18日まで浦添市のサンエー浦添西海岸パルコシティ内のユナイテッド・シネマと那覇市のシネマQで上映予定。

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