在日米軍駐留経費の日本側負担に関し、「特別取極」での対応に言及する1978年5月の外務省文書 画像を見る

 

在日米軍駐留経費のうち、日本による米側負担の肩代わり分を指す「思いやり予算」。1978年、米軍基地で働く日本人従業員の「労務費」の一部(62億円)を対象に日本側の支払いが始まったが、その後も米国の負担要求に応じる形で支払い範囲は拡大。87年度から日米間の「特別協定」が根拠となり、5年ごとの締結を繰り返して現在に至る。本年度は1974億円が支出されている。

 

78年当初、対象は「労務費」の一部に当たる福利厚生費だった。だが79年度から米軍の隊舎や家族住宅など「施設整備費」も日本側負担となる。特別協定の締結後は、91年度から光熱費や基地従業員の基本給、96年度から訓練移転費なども加わった。他国と比較しても、日本の米軍駐留経費の負担割合は突出して高いとされる。現行の特別協定は2020年度末までで、21年度以降の負担割合を決める新協定の交渉は今後本格化するが、トランプ米政権が日本側の負担引き上げを求める可能性もある。

 

「思いやり予算」のほか、県内の米軍基地返還や訓練移転のために計上される「SACO関係経費」(19年度は256億円)や、米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設事業を含む「米軍再編関係経費」(同1679億円)も日本側が負担している。

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