ドローンを利用した離島間物流事業の実証実験について紹介するプロジェクトリーダーの飯國祐二さん(左から2人目)と関係者=27日、那覇市の沖縄セルラー電話 画像を見る

 

沖縄セルラー電話(那覇市、湯淺英雄社長)とドローン事業などのNansei(那覇市、砂川哲男社長)は2020年度から、竹富町と連携し、小型無人機(ドローン)を活用して離島間で食料品などを輸送する実証実験を始める。悪天候で船が欠航した際などに物流が滞る離島の課題を解決し、住民生活や観光産業を支える体制づくりを目指している。

 

実証実験では、悪天候による船の欠航率が高い竹富町鳩間島の物流安定化を目指し、約5キロ離れた同町西表島上原地区からドローンで食料品などを運ぶ。両地域を結ぶ船舶は、冬場は月に数日しか運航できないこともあるほど欠航率が高い。生活物資などの輸送手段の確保は大きな課題となっている。

 

実験には最大10キロの物資を運べる「シングルローター型ドローン」を活用する。積載重量にもよるが、時速50~70キロで最大175キロの距離を飛行でき、10メートルの風速に耐えられる。運用段階では30キロ以上の物資を運べるドローンの活用を検討している。

 

実証実験を前に、2月に鳩間島と西表島上原地区で住民らに聞き取りし、ドローンで輸送を希望する物資の需要を調査する。現時点で食料品以外に新聞の配達や、鳩間島で利用した医療廃棄物の輸送などの要望があるという。3月には強風時の離着陸のテストも予定している。

 

実証実験の結果を踏まえ、21年度以降は石垣島や西表島の別の地域での運航も検討する。同事業のプロジェクトリーダーを務めるNanseiの飯國祐二さんは「ドローンの活用で離島の課題解決につなげ、地域の皆さんの要望に応えるサービスを提供できる体制を整えたい」と話した。

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