「おきなわ、休業中。」「元気になってから来て」 沖縄県内の有志やアーティストが呼び掛け【WEB限定】
来県自粛を呼び掛ける「沖縄やーぐまいプロジェクト」の投稿

 

沖縄は、休業中です―。新型コロナウイルスの感染拡大による外出自粛が続く中の大型連休。例年多くの観光客が訪れる沖縄では、来県自粛を求める声がより強まっている。そのような中、SNSではある写真のシェアも増えてきた。モノクロの守礼門に「おきなわ、休業中。」の文字。観光施設が休業していることや現在の医療体制など、沖縄を満喫できない理由を添えて、沖縄旅行を控えるよう呼び掛けている。取り組みに込めた思いは?仕掛け人たちに話を聞いた。(田吹遥子)

 

活動は、沖縄在住の若者やアーティストらを中心に有志9人で始めた「沖縄やーぐまいプロジェクト」の一環だ。コロナの流行が広がる沖縄での課題を議論する中で、今優先すべきこととして「大型連休中に沖縄を訪れる人を減らすこと」「県民の外出自粛を促すこと」の声が上がったことが活動の始まりだ。

 

特に、プロジェクトメンバーの石垣綾音さん(30)と北林大さん(31)は、沖縄で移入例による感染が広がり始めた4月上旬頃から、県内への入域制限と2週間の外出自粛を県に求めるオンラインの署名活動に取り組んできた。海外のロックダウン(都市封鎖)の現状を聞いて危機感があったからだ。北林さんは「県内の事業者では経営状況が悪くなることを覚悟で営業を自粛しているところもある。県外からの流入を止められなかったら、みんなのために休んだ事業者もばかをみる」と指摘。石垣さんも「中途半端な自粛が長引けば長引くほど経済にも影響が出る」と、連休の期間で集中的に県外からの移入や県民の外出を減らす必要性を訴えた。

 

県外への呼び掛けには、メンバーでアーティストの久貝俊貴さん(28)が撮影した写真に石垣さんが言葉を加えた。「沖縄に来ないで」と直接的な表現にしなかったのにはいくつかの理由がある。

 

石垣さんは「拒否をするというよりは、『今来ても互いに楽しくないよ』という伝え方にしたかった」と話す。北林さんは「観光業で生計を立てている業者もいる。コロナが収束した後で観光産業に影響が出てしまうようなやり方はしたくなかった」と意図を語った。

 

そこで参考にしたのがハワイのカウアイ島だった。「カウアイ島では『島自体がバケーション、休んでますよ』と呼び掛けていた。同じような呼び掛けができないかなと考えて。伝わりやすさから『休業中』にしました」(石垣さん)。

 

投稿はツイッターやフェイスブック、インスタグラムで発信。「おきなわ休業中」の写真のツイッターへの投稿は、26日午後5時時点で1128人がリツイート(再投稿)し、拡散されている。写真をそれぞれのツイートに添付して投稿する人も増えてきた。さらに、休業している施設などの写真を#おきなわ休業中のハッシュタグと共に投稿する動きも広がっている。

 

県民に向けては分かりやすいように、しまくとぅばで「家にこもる」という意味の「やーぐまい」という言葉で外出自粛を呼び掛ける。今後は「やーぐまい」を楽しくするためのコンテンツ作成や発信もしていく予定だ。

 

さらにやーぐまいプロジェクトでは、コロナに関連して沖縄が現在抱える課題や「コロナ後の沖縄」について、オンラインで語り合う場も模索している。メンバーで、4人組バンド「DYGL」としても活動する秋山信樹 さん(27)は「家にこもって携帯を見てるだけだと消費しているだけになる。自分の考えを整理する場所があることは大事だ。みんなで一緒に考えていく場所にできれば」と話した。

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