「パンの耳でビール」オキコとオリオン開発中 「あってはいけない香り」乗り越え
パンの耳を原料にしたビールを共同開発しているオキコの仲田すま子係長(左)とオリオンビールの大城敬一郎課長補佐=7月27日、豊見城市豊崎のオリオンビール

 

 オリオンビール(豊見城市、早瀬京鋳社長)とオキコ(西原町、銘苅敏明社長)がパンの耳を原材料にした「パンビール」の開発に取り組んでいる。5回の試醸を終え、パンの耳の使用割合を決定。醸造設備を導入し2021年に千本の限定販売を検討している。食品ロスを少なくするという社会的な意味も持っている。

 

 「パンでビールを造れませんか」。パンの耳が詰まった袋を手に、オキコ営業課の仲田すま子係長がオリオンビールを訪ねたのは201911月。オキコは同年10月、食パンの内側をくりぬいて具を挟む「ポケットランチ」を発売した。好調な売れ行きと比例するように、製造時に1500600キロもの食パンの耳が余ってしまった。廃棄せずに飼料にしていたが、ほかの展開ができないか社内で検討を重ねた。ヨーロッパではパンを材料にビールを造っているという情報を得て、オリオンビールに働き掛け、サスティナブルビールの共同開発が始まった。

 

 初めて扱うパンの耳を分析、解析し最適な分量を導き出した。課題だったのは「ビールにあってはいけない香り」というパンから出る香りと、ビールには本来含まれない塩味。パンの耳が多いと香りが増え、少ないとパンの風味を感じなくなるため、調整に苦労した。5回の試醸を終え余韻にパンの風味を感じるビールがほぼ完成した。

 

 ビール商品開発部の大城敬一郎課長補佐は「トライアンドエラーを繰り返しようやく形が見えてきた。新しい設備でうまくいくのかという課題はあるが、パンでビールを造るという挑戦は楽しい」と声を弾ませる。オキコの仲田係長は「地元企業同士で商品を開発できたことや、食品ロスをなくすというSDGsの取り組みにも貢献できることがとてもうれしい。ワクワクする商品ができそう」と話した。

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