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安全上の懸念から沖縄県内で反対が強かった米軍普天間飛行場所属の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイは、配備されてから8年間で墜落事故や不具合、部品落下を繰り返してきた。判明しているだけでも18件に上る。圧迫感や不快感、建物をがたつかせる100ヘルツ以下の低周波音もオスプレイの飛行に特徴的だ。人体に与える影響の全容は未解明だが、体調不良を訴える人も出ている。

 

オスプレイの構造上の問題として、ヘリコプターと比べ、エンジンが停止した場合にローターで気流を受けて軟着陸する「オートローテーション(自動回転)機能」が欠けていることなどが指摘されている。2012年の配備前に県内の全41市町村長、議長が配備反対を表明。約10万人余(主催者発表)が集まる県民大会が開かれたが、政府は配備を強行した。

 

16年12月には名護市安部に墜落した。同じ日、普天間飛行場では装置の不具合でオスプレイが胴体着陸した。墜落の原因は、空中給油を受けるオスプレイの回転翼と空中給油機の給油ホースが接触したことだった。

 

一般的に空中で給油するには高い操縦技術が求められる。オスプレイは機体の構造上、より難しいとされる。回転翼を前に向けて空中給油を受けることから、給油ホースと回転翼の距離が近いためだ。米軍は事故後も県内や周辺で空中給油を続けている。事故捜査では米軍が協力せず時効が迫り、機長の氏名さえ分からないまま19年12月に捜査が終結した。

 

事故の危険性に加え、オスプレイは他の回転翼機と比べ、低周波音が強いことも明らかになっている。普天間飛行場周辺ではオスプレイが通る際に振動が起こり、住宅の窓枠が揺れたり、バイクや車の防犯装置が鳴ったりする。

 

琉球新報が17年に普天間飛行場周辺に住む127人に聞き取った調査では、72.4%(92人)が戸や窓の振動など物的な影響を訴え、63%(80人)がいらいらや不快感、圧迫感など心理的な影響を感じると答えた。頭痛や耳鳴りなど実際の体調不良を訴えた人も約3割の35人いた。

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