被災した美術工芸品の修繕・修復などについて意見交換する「首里城美術工芸品等管理委員会」の第3回会議=25日、那覇市の沖縄美ら島財団那覇事務所 画像を見る

首里城火災で損傷した美術工芸品の修復や保全・管理方法などを検討する、首里城美術工芸品等管理委員会(委員長・高良倉吉琉球大学名誉教授)の第3回会議が25日、那覇市の同財団那覇事務所で開かれた。有識者8人を委員として沖縄美ら島財団が設置した。会議後の記者会見で同財団は、現時点で修繕が必要と判断されている美術工芸品約200点の全ての修復について、終えるまでに20年を超える期間が必要との見通しを示した。

 

同管理委は来年3月、損傷した美術工芸品の修繕・修復の計画や基本方針を決定する。修復中や修復後を含めた美術工芸品の管理マニュアルも来年3月に策定する。本格的な修復作業は来年度以降から始まる予定だ。会議は冒頭以外は非公開だった。会議後、高良委員長と同財団総合研究センター琉球文化財研究室の幸喜淳室長補佐が内容を報道陣へ説明した。

 

現在、首里城火災で損傷した美術工芸品は県立博物館・美術館などで暫定的に保管され、状態確認などが進んでいる。財団は今後、自前の特別収蔵庫を確保し、同館などから移動可能な美術工芸品を移して保管、修復することも検討している。

 

財団は、焼失したり、展示が難しくなったりした美術工芸品の模造復元も実施する方針。委員からは、緊急時も含めて琉球文化の保存、修復、調査などを担う拠点「全県的なセンター」を設ける必要があるとの提案も出たという。

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