12月最初の金曜日。コザ運動公園の駐車場のスペースを利用した週末限定のイベント「ドライブインシアターコザ!」が開催された。車内での映画鑑賞は、映画館よりもゆったりとしたスタイルで楽しめることが魅力だ。シートのリクライニングを倒したり、多彩なキッチンカーで飲食物を購入したり、来場者たちは思い思いの方法で上映時間を過ごす 写真・村山 望 画像を見る

車でのびのびと楽しむ 屋外のシアター

 

週末の夜、沖縄市の国体道路沿い、コザ運動公園近くを通りがかると、屋外に設置された巨大スクリーンに、映画が投影されている光景を目にする。先月より週末限定で始まった企画「ドライブインシアターコザ!」だ。コロナ禍においても、人混みを避けつつ、外でエンジョイできるイベントとして好評を博している。シアターを運営する「株式会社 シュガートレイン」代表の井手裕一さんに楽しみ方を聞いた。

 

「ドライブインシアターコザ!」の会場で映画を上映するスクリーンは縦約14m×横約18m。同時に120台程度が駐車して映画を楽しむことが可能なサイズだ。闇夜に浮かび上がるスクリーンと鑑賞を邪魔しない程度に会場を彩るイルミネーションが非日常感を演出し、わくわくした気分にさせてくれる。

 

コロナ禍でも気兼ねなく

 

ドライブインシアターで映画の音声を聴くには? 正解は「カーラジオの音声」。

 

県内にもかつてドライブインシアターが存在したことを覚えている世代なら当然かもしれないが、若い世代には車内からの映画鑑賞が初めてという人も少なくない。シアター側が指定した周波数に車のFMラジオを合わせ、映像と同期した音声が流れた際には「わぁっ」と声を出してよろこぶ来場者もいる。懐かしくも新しい娯楽として、当イベントは受け入れられているようだ。

 

ドライブインシアターを運営するのは、県内で映像制作やイベント企画を手がける「株式会社 シュガートレイン」。代表の井手裕一さんは、今年5月に南城市などで試験的に行ったドライブインシアターの企画が予想以上の反響だったことから、イベントとして継続して行うことを決めたのだと話す。

 

「ドライブインシアターは、車内で過ごすのでコロナ禍でも気兼ねなく楽しめます。昔からあるものですが、現在のニーズにも合った娯楽として受け入れられたのでしょう」

 

人混みを避けつつ外出の開放感を味わうことができる、というドライブインシアター。この特徴が、新型コロナウイルスが心配で思うように外出できない、と感じていた人々のハートをがっちりとつかんだのではと井手さんは分析している。

 

イベント開催日には、19時半~と23時~、2回の上映を行う。早い時間帯はアニメなどファミリー向けの作品、2回目の時間帯にはアクションなど大人も楽しめる作品を選んでいる。早い時間帯には会場に子どもたちの楽しそうな声が響き、遅い時間帯にはカップルや友人グループがのびのびと過ごすそうだ。

 

車がパーティー会場に

 

「ドライブインシアターの楽しみ方は映画を観ることだけではないんですよ」

 

井手さんが話す通り、会場で見かける来場者たちの過ごし方は自由だ。会場内のキッチンカーで購入した飲食物を楽しむカップル、車近くにキャンプ用の椅子やテーブルを広げてくつろぐ家族、SNS投稿用だろうかスマホで写真撮影する人もいる。車内に持参したイルミネーションを飾るグループもいたとか。

 

「好きなものを食べたり、飲んだりできるし、周りを気にせず笑ったり、驚いたりできます。車がパーティー会場になるんです」と井手さんは笑顔でその魅力を教えてくれた。シュガートレインでは今後、映画上映だけでなく、ライブ観戦やeスポーツの中継など、インタラクティブな形態の娯楽提供も模索していきたいそうだ。

 

ドライブインシアターコザ!は、来年1月まで週末に開催予定(隣接する施設でイベントがある場合は開催しない場合あり)。イベントの開催日や上映スケジュールはホームページから確認可能だ。開場は上映の1時間半前から。早めに来場すれば、スクリーンに対して好位置に駐車することができる。映画のみならず、会場全体の雰囲気を楽しみに、足を運んでほしい。
(津波 典泰)

 

ドライブインシアターコザ!
主催:沖縄テレビ放送、琉球新報社
コザ運動公園の駐車場のスペース (マップはこちら
車1台あたりの料金
キャッシュレス決済:2,800円
現金払い:3,000円

 

※価格は税込。当日会場支払いのみ開催日程や上映スケジュールは以下
https://drive-in-koza.com/

 

(2020年12月17日付 週刊レキオ掲載)

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