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南城市知念の世界遺産「斎場御嶽(せーふぁうたき)」の「三庫理(さんぐーい)」内にある香炉1基が別の石材に置き換えられ、元の香炉の行方が分からなくなっている。3月26日に市観光協会職員らが確認し、29日に市に報告、翌日には警察の調査が入った。市教育委員会が5日、発表した。市は盗難の可能性があるとして、与那原署へ被害届を出す準備を進めている。

 

3月26日の一般入場終了後にガイド職員が点検に回っていたところ、三庫理内にある15基の香炉のうち、1基が割れているのを発見した。複数職員で確認したところ、割れた石材には、実際の香炉にある帯状の加工がないことから、別の石材と判断した。置き換えられた石材は、元の香炉と同じ大きさになるよう二つの石を組み合わせて設置したとみられ、市は「意図的に置かれたもの」と推測している。5日時点で、無くなった元の香炉は見つかっていない。

 

香炉は「聞得大君」の就任の儀式「御新下り(おあらおり)」が行われた際に、その都度一つずつ置かれたものとされている。行方が分からなくなった香炉の大きさは縦横およそ20センチ、奥行き約10センチ。

 

市教委の上原廣子教育長は「もし持ち去られたのだとしたら、一日でも早く返してほしい」と話した。

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