石垣市自治基本条例の改正について問題点を指摘する市議会野党連絡協議会のメンバーら=29日午前、石垣市議会野党控室 画像を見る

【石垣】沖縄県の石垣市議会野党連絡協議会は29日、市議会の議員控室で記者会見し、28日の市議会本会議で与党の賛成多数で可決された市自治基本条例の改正について、与党議員による改正案の提案手続きに不備があったと主張した。28日の議会は手続きの根拠となる地方自治法の法的解釈を巡り与野党が対立し、5時間以上にわたって空転していた。

 

地方議会議員は議会に議案を提出できるとする、地方自治法112条には、議案の提出に議員定数の12分の1以上の賛成が必要と定めている。野党側は、議案提出手続きがこの要件を満たしていなかったとして提案の無効を訴えたが、平良秀之議長は受け入れず議会を進めた。

 

連絡協議会長の宮良操氏は今回の議案提案について「地方自治法を根拠としていない。将来に禍根を残す」と語った。協議会は今後、法的な手法を視野に対応策を考えていくという。

 

また連絡協議会は改正部分の問題点についても列挙した。

 

条文で市民の定義を「市内に住所を有する人」に改めたことについては、DV被害で市内に避難している人やホームレスの人ら社会的弱者を排除しただけと指摘した。内原英聡氏は「市民の定義が狭まった。全国に波及すると取り返しが付かなくなる」と危機感を示した。

 

条例改正について市の審議会が答申した中、中山義隆市長が議員提案による条例改正を受け入れたことについて、長浜信夫氏は「行政の一端を議会に丸投げしている」と強い口調で訴えた。

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