第20話 母と娘二人

投稿日: 2010年08月24日 00:00 JST

第20話 母と娘二人

世間には、一卵性双生児のような母と娘もの関係もあるらしいが、我が家の母と娘二人の関係は、今までかなりの変化球できたと思う。母の「私は、一人。」という気丈な態度は、裏返せば「娘が、二人もいるのに二人とも自分のことを思い、気遣ってくれていない。」という強烈な意思表示の現れだ。

母と長女の私、母と次女であり、私の妹との関係は、微妙に異なる。

私と妹の性格が、異なることを考えれば、当然と言えば、当然だ。
妹は、中学の頃から母親に対する反抗期が、始まり、40代の今も続いているような気がする。母は、そんな妹にほとほと手を焼き、それなのに、今も尚、二階のアパートにただで暮らす妹一家に対して、憤怒を感じている。(孫は、とても可愛がっているが。)

私は、私で、20代で日本から飛び出し、30年近くも家族や、日本を顧みず、勝手に結婚し、離婚し、挙げ句は、映画監督なんかになってしまった失望感に怒っているのだと思う。何故、そんなことになってしまったのか。どこで、お互いのボタンの掛け違いをしてしまったのか。

要するに、母と娘二人は、あまり相性がよくないのだと思う

妹も私も、父や祖母(父の母)の多大なる影響を受け、それぞれの人生でやりたいことを見つけることを最優先にした。それは、「そんなことは、みっともない」というような世間体を気にし、常に人生に対して慎重だった母には、相容れなかった生き方だったのかも知れない。

私が、結婚した1996年、父が脳梗塞で倒れ、5年間の闘病生活を強いられた。私は、シドニーと横浜の間を行ったり来たりして、父の看病に参加した。母は、店(関口米店)を理由に父の面倒を一切見ようとしなかった。それどころか、父は、母の負担以外の何ものでもなく、忌むべき存在、という態度だった。

私と妹は、母が、言う父の悪口雑言が、耐えられなかった。母の頭からは、私たち姉妹は、父の娘でもあり、父と血がつながっている、ということを忘れてしまっているようだった。母は、母で、私たち姉妹が、自分の側に立って支持してくれないことに苛立っていた。

遂に私は、人生で初めて母と大喧嘩をした

母の父に対する態度が耐えられない、悪口は止めろ、悪口を言い続けても事態は変わらない、他にやらなければいけないことが山ほどある。」とズバリ言ったのである。母は、真っ青になり、それから私に激怒し、何日間も私と話そうとはしなかった。妹は、そんな母親が、耐えられない、許せない、と私に言った。母の自尊心を傷つけた私は、母にとって許せない存在になってしまった。

家の中は、ギクシャクし、父の闘病をさらに複雑にした

困った私は、シドニーにいる夫に電話をかけ、経過報告すると、夫は、一言、「お前が、悪い。お母さんの立場も考えたらどうだ。お母さんに謝れ。」と言うではないか。その言葉でやや冷静になった私は、初めて母のことを思いやったのである。そう、母の父に対する長年の恨み、つらみが、態度に出たのかもしれない
言うことを聞いていれば、父は、糖尿病にも脳梗塞にもならなかったはず。」という強い思いと後悔が、母には、あったのだから。

その晩、謝った私を母は、快く受け入れてくれた。それ以降、母と私の関係は、以前よりずっと上手くいくようになった。初めてお互いの境界線を認識し、大人の付き合いをする、と言う関係になった、とでも言ったらいいのか。

夫とは、父が逝った5年後の2001年に別れてしまったが、その時の母への助言は、今でも感謝している。

問題は、一人取り残された妹だった・・・

 

ドキュメンタリー映像作家 関口祐加 最新作 『此岸 彼岸』一覧

 [この記事を第1話から読む]

関口家でも使っている、家族を守る”みまもりカメラ” 

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