クドカン『あまちゃん』ヒット生んだ27年前の経験

投稿日: 2013年07月26日 07:00 JST

 いよいよ佳境を迎えるNHK朝の連続テレビ小説『あまちゃん』。快進撃は、ヒロインに抜擢された能年玲奈(20)の頑張りもさることながら、脚本を書くクドカンこと宮藤官九郎(43)の存在なくして語れない。27年前、彼はあまちゃんの舞台と同じ東北地方の故郷で、今と変わらず目立ちたがりで、バカやって、でも才能が光る中学生時代を送っていた。

奥羽山系を望む宮城県栗原市は、田園風景が広がるのどかな田舎町だ。’70年7月、かつては鉱山の街として栄えたこの地に、宮藤家の長男として俊一郎(クドカンの本名)は生まれた。教師をしていた父と文房具店を営む母の間には14歳上と9歳上の姉がおり、年の離れた末っ子は家族の愛を一身に受けて育った。

「幼稚園のころは『俊ちゃん』、小学校に入ってからはずっと『クンちゃん』とか『クン』と呼ばれていましたね。おだずもっこ(東北弁でひょうきんもの、お調子者)な子でしたよ。かわいがられていましたが、けっして甘やかされていたわけじゃなく、まじめなお父さんと、おおらかなお母さんに、いい子に育てられたなという感じでしたね」(小学校の同級生の母親)

 小学校の校長を務めていた父は’98年、69歳の若さで亡くなっているが、80歳になる母はいまだ健在。下の姉とともに実家の文房具店に立つかたわら、日本舞踊藤間流の名取として、後進の指導も積極的におこなっている。そんな母のDNAからか、俊一郎少年は“舞台に立つのが大好き”に育った。小学校、中学校の同級生だったという男性が話す。

「クンの家にはお母さんがやっている日舞の稽古場があったんですが、そこにたまってよく遊んでいました。クンはとにかく人前に出るのが好き。なにかイベントがあると、必ずステージに立っていました。即興でものまねとか漫談みたいなことをして、ちゃんと笑いを取るんですよ」

 中学校に入ると文化祭のステージの常連に。おバカぶりはさらにエスカレートする。

「生徒会選挙の立会演説会で、スイカの中をくり抜いてヘルメットみたいに被って出てきたのは衝撃でしたね(笑)。ほかにも学ランを着て、頭のところから、なぜか本物の犬の首を出していたこともありました。完全に悪ノリですよね。生徒会長になりたいわけじゃないのに、とりあえず立候補してた(笑)。クンにしてみたら選挙は、ネタを披露する大事な舞台だったんです」(同)

おバカばかりやっていながらも、成績はよかったという。

「勉強しているそぶりはぜんぜん見せませんでした。でもテストが終わってみれば、いい点を取っているんですよ。学年で1位を取ったこともあるんじゃないかな。彼女はいなかったですよ。男はもちろん、女のコからも人として好かれるタイプではあるんですけど、異性として見られていたかというと……まぁモテないほうでしたね(笑)。アイドルが好きだったんですが、いま、その好きだったアイドルと仕事してるなんて、クンちゃんらしいと思いました」(同)

俊一郎少年のいちばんのアイドルだった小泉今日子(47)は『あまちゃん』にヒロインの母親役として出演中。劇中で流れる懐かしいアイドルソングといい、27年前の経験が『あまちゃん』を生んだといっていいだろう。バカばかりしていた中学生は、いまや“東北の誉れ”に。劇中で東北からアイドルを目指したあまちゃんは、クドカン自身の分身だったのかもしれない。

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