養護施設スタッフ語る『明日、ママがいない』の不自然

投稿日: 2014年01月29日 07:00 JST

 芦田愛菜(9)主演で児童養護施設を舞台にしたドラマ『明日、ママがいない』(日本テレビ系)。今月15日の第1回放送は視聴率14%と好スタートを切ったが、児童養護施設出身者に言わせれば、「とんでも場面が多すぎ」「表面しか描かれていない」と辛口だ。

「ある施設長を通じて放映の2~3週間前に台本を読んでいましたが、『お前たちはペットショップの犬』とのセリフに、う~ん、これが全国に流されるのかと思って、“こんな育てられ方はしてないです”と意見を伝えました。放送ではそのままでしたが」

 そう話すのは、児童養護施設などの出身者が集う場を提供し、支援活動をするNPO「日向ぼっこ」(東京都文京区)代表理事である渡井隆行さん(34)。自らも10歳から高校卒業まで都内の児童養護施設で過ごした経験を持つ渡井さんの目には、こんな違和感も。

「プライバシーは隠すので、施設に来た理由をほかの子が知っていることも、ありえません。だから、ポスト、ドンキ、パチなんて、あだ名もありえない。施設長が自ら、あんなに子供の前に出ることもありません。逆に、現場のスタッフがいないのも不自然。職員配置基準は子供6人に職員1人でしたが、最近は5.5人に1人と、少しずつ改善されてはいるようです」

 また、施設の出身者たちは一様に、「母親への思いはあんな簡単に断ち切れない」と口をそろえた。12歳から18歳まで関西の児童養護施設で育ったという静香さん(27・仮名)はこう語る。

「私の施設の先輩の男性は、母との思い出がいっさいなく、支えは若いころに母親が残したという1枚の絵はがき。やがてその母が、よそで家庭を持っていることを知り、ショックから引きこもりのようになり、就職試験も失敗、今は生活保護で暮らしています」

 ドラマに対し、「赤ちゃんポスト」を運営する慈恵病院(熊本市)が抗議したことで、賛否両論の議論も巻き起こった。ついには8社のスポンサーすべてがCM放送を見合わせるという緊急事態に。「放送打ち切りか」との噂も駆けめぐった。日本テレビ総合広報部に尋ねたところーー。

「予定どおり、特に変更もなく放送を続けます」

 渡井さんたち児童養護施設OBは、「もし、真実の施設の話を聞きたいなら、私はいくらでもテレビ局の取材に応じます」と、言い残した。

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