江原啓之語る現代「凄惨な事件、だれでも当事者になりうる」

投稿日: 2014年06月25日 07:00 JST

 江原啓之さんは本誌年始号でこの’14年を一言で表すならば、“まやかし”の年であると予言していた。その予言通り「STAP細胞論文ねつ造疑惑」「現代のベートーベン」「パソコン遠隔操作事件」といった、何が真実で、何が嘘なのかわからない事件が頻発した。

「一瞬、もう私の役目は終わったのかとさえ思いました。あれほど警鐘を鳴らしたのに……と。これからは何が起こっても人ごとではなく、明日はわが身と思って生きなければならない、より逼迫した状態ですから――」

 ここ数年はひとりひとりが危機意識を高めることの重要性を訴える。そんな江原さんから、いま私たちの心の在り方、心の持ちようはどうあるべきかを聞いた。

「いま映画『アナと雪の女王』の主題歌がヒットしています。印象的な“ありのまま”というフレーズがありますよね。本来“ありのまま”というのは、『あるがままの自分を見つめ直して、改めるべきところは改めなければならない。それでいて、よいところは伸ばす』というのが本意でした。けれどルールやマナーを守らずに、権利ばかり主張してしまうのがこの時代における“ありのまま”の意味だと思います。誤解を恐れずに言いますと、権利を主張して義務を果たさないいちばんの筆頭株は、実は戦後生まれの団塊世代に多くみられると思いますよ」

 戦後生まれの団塊世代は権力に対する反発心もあり、戦後の物質主義的価値観を色濃く受け継ぎ、高度経済成長とともに右肩上がりに生きてきた。そうして必死に生きてきたことから日本人の心をどこかに置き忘れ、“反抗こそ美徳”とばかりに自己本位に生きてきた人が多いように感じると江原さんは指摘する。

「この自己本位、いわば“身勝手”という病魔が、いま日本中をむしばんでいるのです。身勝手は負しか生まない。しかし、多くの人は自分の身勝手さに気づいていません。傍若無人な振る舞いが横行し、ルールを守れない人があまりに多すぎます。ですから、耳を疑うような凄惨な事件が報じられる日々のなか、だれでも当事者になりうる、明日はわが身と思っていきていくしかないのです」

 こんな世の中だからこそ、自分の身は自分で守るしかないと江原さんはいう。

「いいかえれば“孤高に生きるしかない”ということ。『人に依存しない』『何かお願い事をするときは代償を払う覚悟を決める』『腹をくくって生きる』と、こうしたルールの中で生きていくしかないのです」

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