【インタビュー】YOSHIKIが語った抜け殻の2年間―
投稿日: 2009年07月07日 00:00 JST
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「僕はロスにいたんですが、いったい何が起きたのかわからなくて・・・。X JAPANのメンバーは『家族』のようで彼はメンバーの中で母親的な役
割でした。まさか『家族』がいなくなるなんて思わないじゃないですか。ショックでしたね。同時に過去の父親のことも鮮明に思い出して・・・」そう言うと彼はうつむいて、細くしなやかな指で自分の太ももをゆっくりとさすった。そして暫くしてつぶやいた。
「立ち直れそうもなかった」と――。34歳の父と33歳
の母親的役割の最も愛する『家族』二人を失った。
告別式が行われた築地本願寺にはファン5万人が献花に訪れた。リーダーであるYOSHIKIはHIDEの葬儀の間、ファンに後追い自殺を止めるよう訴え続けた。
「HIDEの葬儀でもそうでしたし、今も僕はX JAPANのリーダー・YOSHIKIという自覚が真っ先にあるんですね。
その次に自分自身の佳樹。その時はリーダーとしてHIDEの後追い自殺を止めなきゃいけない、と必死でしたね。そしてその後、ロスに戻ったら・・・・・逆に、自分自身が立ち直れなくなったんです」
ロスに戻ったYOSHIKIは、表舞台から姿を消した。暗闇の中で「沈黙」の時を2年にわたり耐え忍んだ。
「抜け殻のような2年間でした。過去を、人生の全てを葬りたかった。自虐的になっていましたね。
父の死を何年もかかって乗り越えてきたんですよ。それでHIDEのことがあったときに、一気に全部がまた襲いかかってきたようでした」
自宅から一歩も出ず、体脂肪が6%を割り、不眠やパニック症状が続き、睡眠導入剤を処方してもらったクリニックでは入院を勧められるほどに心身が疲弊していた。「すごく自虐的に、全て自分が悪いんだと責めていました。
消えちゃいたい。このまままた朝が来なければいいなって。
母が父の全てのものを処分して捨ててしまったように、それと似た感覚でXのエの字を聞くのも辛くて聞けなくなってしまって。少しでも過去に触れると涙が止まらなくなってしまって。過去のドアを一切開けられなくなりました。
ミュージシャンとして表に出るのはやめよう、裏方でやっていこうと思っていました。
2年・・・長かったですね、この後、自分が復活するなんて思っていなかったんです」
99年、彼に復活へ向けた最初の機会が訪れた。天皇陛下即位10周年の記念式典で、奉祝曲ピアノコンチェルト『Anniversary』を天皇皇后両陛下の前で演奏し、集まった1万5千人の聴衆から拍手喝さいを浴びたのだ。
「まさか、そんなすごく光栄な話を頂いたことが信じられないし、嬉しく思いました。母に相談したら『感謝してやってみたら』と言われて。
演奏した後、僕は世の中に必要とされているんだなと思えて。これが僕の復活の大きなきっかけになりましたね」
X JAPANフィルムコンサートに向けて、これまで決して触れることも見ることもできなかったラストライブの映像の編集に着手したことも、彼の復活を後押しした。
「開けられなかったドアを無理やり開けて・・・辛かったですね。ドアを開けて出てきたのは涙だらけなんですけど。
編集の1年間、“これほど泣いたことはない”ほど泣きました。でもそれで心が洗われていって不思議ですが痛みも流されていった感じですね」
ようやく彼に笑顔が戻った。「僕はすごく行動派なんですけれど、そのきっかけを誰かに(背中を)押されてる。
やはり自分だけでは何もできなかったでしょうね。僕の人生は節目節目で、いつも何か不思議な機会を頂いていて。違う方向に行きそうになると支えてくれる人たちが現れてくるんです。その根底にあるのはファンの人がいたから。
自分で言うのも何ですが、すごい人生ですよね(苦笑)。ギリギリの諸刃の刃の上をよく生きてきたなぁと思いますし、今もそのギリギリを歩いています。僕はいろんな苦しみを味わってきたから、深い音楽を作ることができるのかなとも思いますね」
表舞台に復活後は、世界規模での活動を続けている。07年には、X JAPAN復活も果たし、08年にはワールドツアーの一環として東京ドーム復活公演を行なった。
今年1月の香港公演では親を亡くした子供200人を招待。その後、自らが自殺遺児だったことを告白して、自殺遺児への『YOSHIKI基金』設立に向けて動き出している。
「基金は偽善でやっているとは思われたくないんです。僕自身、父の死を乗り越えてはいないと思うんです。そのままその傷を背負いながら、自分が裸になって過去を語ることで同じような傷を持った人が少しでも一人でも救われるなら。そう思って基金を設立しようと考えたんです」
5月2日、HIDEの命日。YOSHIKIは東京ドームのステージ上にいた。この日も親を亡くした子供200人が招待されていた。
「これまで僕は音楽があったから生きてこれました。だから、みんなにも暗がりの中にいても夢を持って欲しい。思えば夢は絶対に叶うから・・・」
新メンバーのSUGIZOが加入し、6人となった新生X JAPAN。コンサートではHIDEは映像で演奏に参加した。
「Xのステージ上では僕は、ピアノソロも演奏も一人でやっている気がしないんです。
HIDE、お父さん、支えてくれ、見守ってくれと祈って、本能のままに身体が勝手に動いていくんです――」
今月30日には台湾での公演を控えるYOSHIKI。X JAPANは攻撃続行中。今もメンバーのHIDEとともに。そして天国の父とともに。
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