第5回 ”奇人変人”神楽坂に集う

投稿日: 2014年10月21日 00:00 JST

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先日、東京・神楽坂に新潮社の元倉庫を改装した『la kagu』(ラカグ)という施設がオープンいたしました。そしてその3日後、この施設の中に設えられたレクチャースペースでのこけら落としイベントに出演。ただ今連載中の漫画『プリニウス』の共著者であるとり・みき氏、思想史研究家である片山杜秀さんと3人での対談がございました。

『プリニウス』を連載しているのが新潮社から発行されている月刊オピニオン誌『新潮45』なので、その経緯からこの対談が実現したわけですが、私はこの『la kagu』というのが一体どんな施設なのか今ひとつはっきり把握しておりませんでした。企画を頂いた当初は編集長から、

「まあ、もともと倉庫だったのを改装したものですよ」

という大雑把な説明しか聞いていなかったので、私の中でのイメージでは何かこう、薄汚れた荷物置き場のようなものだったのです。ところが対談当日に足を運んでみて驚きました。『la kagu』は、私が想像していたのとはまったくかけ離れた、おしゃれでイカした建造物だったのです。

確かに、外観は倉庫としての名残をしっかり留めてはいますが、案内をして下さっていた編集長が説明されたとおり、小さな丘をイメージしたこの建物へは、大きくて広々とした素敵な階段を登って入っていくという構造になっていて、建物とのバランスの取れた融合感が絶妙な景観を展開しています。

そして、またこのイカした建物の中に入っているお店で売られている家具や雑貨、衣類などが、どれもこれも素敵で、40代以上の女性を意識したセレクト、という衣類に至っては『メゾン・マルタン・マルジェラ』や『マルニ』といった、私のお気に入り2大メーカーのものを扱っているというではありませんか!

どうりで一瞥しただけで、このところ忙し過ぎて消沈気味だった私の物欲がたちまち注ぎたてのビールの泡のように活性化し、居ても立ってもいられなくなったわけです。

シンプルだけど質の良さを感じさせる家具といい、ナチュラルなトーンをベースにした雑貨といい、とにかく何もかも自分好みのものだらけで、あまりに興奮し過ぎて対談を控えた心の準備が一掃されてしまいそうな勢いでした。

やっとのことで自制をし、周りの方たちの顰蹙を買うことも免れて、とりさんと片山さんと3人でのトークショーが始まったわけですが、ちなみにテーマは『われらが愛する“奇人変人”』……。おしゃれ空間のこけら落としとしてはどうなんだろう? というタイトルではありますが、台風19号が接近しつつある中、悪天候にも関わらずたくさんの方たちにお越しいただいたこともあり、ここはもう存分に出せるものを出しきるしかないと決意を固めた私たち。

 

とりさんが準備してきた、連載中の『プリニウス』の合作行程データのレア映像を見ていただきながら、この古代ローマ時代の博物学者がいかに変なおじさんだったかを語り合い、そのうち対談をしている我々3人自体が、どれだけ変人であるのかが露見するようなトークの流れとなり、最終的には『奇人変人』というテーマを万遍なく網羅して、何とか責任重大なこけら落としイベントを終了させることができました。

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ヤマザキマリ

1967年東京都出身。1984年からフィレンツェに11年間在住、油彩、美術史等を学ぶ。1997年に漫画家としてデビュー。2010年『テルマエ・ロマエ』で第3回マンガ大賞、第14回手塚治虫文化賞短編賞受賞。シリア、アメリカ、ポルトガルを経て現在はイタリア・パドヴァ市在住。最新作は『スティーブ・ジョブズ』『プリニウス』等。平成27年度文化庁芸術選奨文部科学大臣新人賞受賞。

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