第14回 贈り物は恐怖の手作り腸詰

投稿日: 2014年12月22日 00:00 JST

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12月某日 北イタリア・パドヴァ

イタリアは12月になると、とたんに人々のようすがそわそわし始めます。欧州や日本のようにグレゴリオ暦で生活している人間にとって、12月というのは1年の締めくくりの月でもありますから、汚れのない新しい年始を迎えるにあたって、やはり本能的に「周辺整理はしておかなきゃ!」という気持ちに煽られるのは、ごく自然の成り行きともいえます。

日本にはこの時期、お世話になった方への感謝の気持ちを「お歳暮」という贈り物に代える習慣がありますが、ここイタリアでは、クリスマスプレゼントいうくくりで、そういったお歳暮的感覚で知人・友人・職場の人間、そして家族の間で行き交います。したがって、イタリアも12月に入った途端、街中にはお歳暮クリスマスプレゼント購買の必然性に煽られた、ゆとりのない表情の人たちでそこいら中が溢れかえります。

別に大した世話になったわけでもないけど、去年は贈りものをもらっているから、という理由だったり、自分と直接繋がりはないけど家族が世話になっているから、といった、普段気に留めてもいなかったような人との繋がりをすべて洗い出して、その接点やかかわりにふさわしい価値のものを選ぶ、というのは、なかなか容易なことではありません。

日本のようにデパートや大手のスーパーマーケット、または通販や郵便局のカタログみたいな、種類や値段などで見やすく分別された販売展開やサービスはありませんから、自分たちの想像力を活かして、目的のお店で物選びをしなければならないのです。

ちなみに「ああ、何を選べば良いのかもうわからない! 面倒くさっ!」となった場合にイタリア人が買い求める「無難な品」とは何でしょうか。日本では迷ったときには、フルーツ・ジュース缶の詰め合わせやハムの詰め合わせなど、保存の効く当たり障りのない食品などを選ぶ人たちが多いと思いますが、イタリア人も考えることはほぼ同じです。

傾向としては、年末年始によく食べられるパネットーネやパンドーロといったクリスマス用のケーキ(というか巨大な菓子パンに近い)や、スプマンテなどの発泡酒、ドライフルーツやナッツ類などの乾き物などが多いかもしれません。これが全部カゴに盛り込まれてセットになった、ゴージャス年末お祭りスイーツセットというのもお店によっては用意しており、奮発してもいいと思う人にはそういったものが贈られたりします。

 

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ヤマザキマリ(漫画家・随筆家)

1967年東京都出身。17歳で絵画の勉強のためイタリアに渡り、国立フィレンツェ・アカデミア美術学院で、油絵と美術史を専攻。‘97年漫画家デビュー。『テルマエ・ロマエ』で第3回マンガ大賞、第14回手塚治虫文化賞短編賞受賞。著書に『国境のない生き方』(小学館)、『男性論』(文春新書)『スティーブ・ジョブズ』(講談社)『プリニウス』(とり・みきと共作 新潮社)など多数。シリア、ポルトガル、米国を経て現在はイタリア在住。平成27年度芸術選奨文部科学大臣賞受賞。平成29年イタリア共和国星勲章「コメンダトーレ」綬章。
 
公式サイト
https://www.thermariromari.com/

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