第29回 夫が「迷い箸」も「もののあわれ」も理解していた理由

投稿日: 2015年04月14日 00:00 JST

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4月某日 東京

数週間前のエッセイで、イタリア人の姑にはつかの間に散る桜のような木の花を愛でてお祭り騒ぎをする、日本人のメンタリティを理解できない、という話をしましたが、今年東京界隈の桜が満開だった3月の末から4月の初頭にかけて、彼女の息子である夫のベッピーノが、東京に滞在しておりました。

私は仕事で忙しいので、彼には日中勝手に動いてもらっていたのですが、どこへ出向いてもあまりに桜が美し過ぎたせいか、ある日は花見客でにぎわう上野で日がな一日過ごし、その次の日は千鳥ヶ淵、靖国神社からそのまま皇居まで散策。その次の日は浅草から隅田川沿いを歩き回って、偶然見かけた芸者さんと夜桜、そしてスカイツリーという奇跡の、まるで都合のいい日本の素材を合成したみたいな写真撮影に成功。カメラの中を薄ピンク色の被写体で埋め尽くし、東京を去る直前には「桜は本当に素晴らしい花だってことが日本に来てわかったよ、つまり花見って“もののあわれ”なんだね」などと呟いて私をびっくりさせました。

それまで、日本には特別なシンパシーを持っていなかったはずの旦那でしたが、今回の滞在では日本という国がいたく気に入った様子なのは見ていてもわかりました。しかし、挙げ句に「もののあわれ」なんていったいどこでそんな言葉を覚えたのかと問い質すと、「素晴らしいサイトがあるんだよ」と私に紹介してくれたのがJapan Talkというサイト。

「このサイトにはガイドブックには記載されていない、外国人の日本旅行に置けるありとあらゆるニーズや注意事項が書かれているんだ。お花見が日本人にとってどういうものであるのかもここで知った。“物のあわれ”という言葉も」

彼が日本を離れた後で私はじっくりと、この外国の人に対する日本滞在のノウハウサイトを読んで、すっかり感心をしてしまいました。そこには、日本人であるはずの私ですら知らなかったり、忘れていたマナーや習慣が書かれているだけでなく、外国人にとって日本で恥ずかしいと感じてしまったこと、外国人にとって最も多いマナー違反、なんてことまでこと細かく取り上げられているのです。

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ヤマザキマリ(漫画家・随筆家)

1967年東京都出身。17歳で絵画の勉強のためイタリアに渡り、国立フィレンツェ・アカデミア美術学院で、油絵と美術史を専攻。‘97年漫画家デビュー。『テルマエ・ロマエ』で第3回マンガ大賞、第14回手塚治虫文化賞短編賞受賞。著書に『国境のない生き方』(小学館)、『男性論』(文春新書)『スティーブ・ジョブズ』(講談社)『プリニウス』(とり・みきと共作 新潮社)など多数。シリア、ポルトガル、米国を経て現在はイタリア在住。平成27年度芸術選奨文部科学大臣賞受賞。平成29年イタリア共和国星勲章「コメンダトーレ」綬章。
 
公式サイト
https://www.thermariromari.com/

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