第118回 「喧嘩でものを破壊するだけじゃない、知られざるイタリア女性の実像」

投稿日: 2017年03月28日 17:00 JST

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3月某日 北イタリア・パドヴァ

先日、フランスのWEBサイトでイタリア女性について分析している面白い記事を目にしました。フェイスブックでイタリア人女性の友人がシェアしていたものですが、そこには「どうなのこれ!?」という、反発心が込められたコメントも添えてありました。つまり彼女的にはサイトに書いてある内容が納得いかない、ということなのでしょう。

 

例えば、我々日本人にとってイタリア女性のイメージとはどんなものでしょう? まだイタリアを知らない留学前の私であったなら、イタリア女性は映画『ゴッド・ファーザー』の中に出てくるドン・コルレオーネの娘のコニーでした。夫との喧嘩で逆上したコニーが、家の中の調度品やテーブルの上の食器などヒステリーにまかせてことごとく破壊する、というシーンがあります。最初にこの映画を見たのは小学校高学年のときでしたが、その後実際イタリアに渡り、最初に暮らしたシェアハウスで同居した南イタリアのカップルが、その映画のシーンそっくりな喧嘩を繰り広げているのを見て“ああ、女性が喧嘩で物を破壊するのは本当だったんだ!”と感心(?)したことがありました。

 

または、私世代かそれよりも上の世代の方ならご存知のはずなのが、国際カップルデュオ『ヒデとロザンナ』のロザンナ。彼女は今もNHKのイタリア語講座のコーナーで娘さんと一緒にお料理をしたりしている姿をお見かけしますが、やはり名曲『愛の奇跡』でロザンナが「アモーレ、アモーレミーオ、ティアーモ、ティアーモ、ティアーモーー!!」と叫ぶ、あの熱烈な表現によって、イタリア女性とは情熱の結晶体そのものなのだと確信した日本人も少なくなかったはずです。

 

だからといって全てのイタリア女性がそうなのか、全員が大声で愛する人に向かって「ティアーモー!」と叫べるくらい情熱が露わな人たちなのか、というとそれは間違いかもしれません。海外では日本人女性が全て“従順で控えめな大和撫子”と解釈されるのに無理があるのと同じくらい、人によって差異はあります。差異はあるのだけれど、私のように毎日俯瞰でイタリア人を見ている立場からすると、やはりイタリアの女性には他国とは分かち合えない、独特な特徴が全体的にあるようにも思えるのです。

 

では実際、そのフランスのサイトで分析されていた『知られざるイタリア女についての19の項目』によるイタリア女とはどういうものなのか、いくつか抜粋すると:

 

※ 両親と暮らしている女性が多い(つまりニート)

※ 離婚後は一人暮らしをせずに自分の親元に戻る。または元夫とともに暮らす

※ 愛情を表現するのに躊躇がない(パートナーとなった人はすぐにアモーレ呼ばわりされる)

※ 2人に1人はフランチェスカという名前(またはアントネッラ)

※ もの凄く女らしいかと思えば、凶暴な男っぽさも性格の中に共生している

※ 悲劇の女王となる(サイトでは、これはイタリア女の最もマイナスな要素とされている。怒らせたり悲しませると、先述したゴッドファーザーのコニーのように、ギリシャ悲劇の舞台の主人公みたいになってしまうこと)

※ 財布を携帯していない(どこでも男性に奢ってもらう)

※ ファッショナブルな男性を好む

※ 家族会議で決める(例えば女性に彼氏が出来た場合、その男性はまず家族に認めてもらえなければならない)

※ 褒められ中毒(男性はつねにパートナーを褒め続けていなければならない)

※ フェイスブック依存症

※ 日焼け依存症

※ ドタキャン当たり前(特に南イタリア)

 

等々……。

https://www.hommesdinfluence.com/articles/23787_femmes-italiennes.html を参照。

 

いかがでしょう。確かにここまで詳細に書き出されると、イタリア女性がこれは独断と偏見の要素を持った分析だと言いたくなる気持ちも判ります。先述したように、全てが全て当てはまるわけでもないでしょうから。でも! うちの旦那にこのサイトを見せたところ、読むなりすぐに「すごい、当たってる!!」と興奮して騒いでいました。

 

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「イタリアでは実は女性は男性であり、男性こそが女性だ」と夫は呟いた

例えば、もう80歳を過ぎていらっしゃる我が家の大家さんは、最初のご主人と離婚された後も彼が亡くなるまで同じ家に一緒に暮らしていたと聞いてびっくりしましたが、それがイタリアでは決して特殊なことではないのが、この分析で判明しました。それから、彼氏ができたらまず家族の元に連れて来て吟味してもらい、その意見を参考にして、付き合い続けるかどうするかを決める、というのもその通りですし(うちの小姑や友人を見てもまさにそう)、もの凄い女性らしさを放出しているようで、場合によっては実際の男性以上に男性的になる人が多いというのも大当たりかもしれません。うちの旦那など、最近では「イタリアでは実は女性は男性であり、男性こそが女性だ」とワケの分からないことを呟いているほどです。

 

お財布を持ち歩かないという点に関してですが、これは若干行き過ぎな見解じゃないかなとも思いました。実際失業率も高く不景気な昨今の現状を踏まえると、デートでも未だに男性が女性の分も出さなければならないのはあり得ないだろうとも感じます。とはいえ、「割り勘にしよう♪」と発言するイタリア女性をなかなか容易に想像できません。ということは、やはり基本的には女性は男性に奢ってもらう、という傾向は存続している、ということなのかもしれません。

 

それにしても、この分析で浮き彫りになったイタリア女性のイメージが、隣国のフランスやドイツ、そしてスペインやポルトガルなどとも全く被らないのが面白いところです。

 

今年70回目のアニバーサリーを迎えるカンヌ映画祭ではイタリア人女優のモニカ・ベルッチが開会式と閉会式の司会を務めるそうですが、彼女は往年のイタリア女性のイメージであるパンチの効いたソフィア・ローレンよりもソフィスティケート(洗練)されている印象がありますし、ヒステリックに大暴れしながら、家中の調度品をぶっこわしまくる姿はなかなか思い浮かべられません。でも我々は彼女の私生活を知る術はありませんから、実際はもしかすると、この分析にあったように、怒ったりするともの凄く男らしい側面が露見するのかも……。

 

そして、この分析の注視する点は、ここに取り上げられている大部分のことは、そのままイタリア男にも当てはまるのではないか、ということです。イタリア男も昨今は結婚したがらないニートがとても多いですし、離婚後に家族や別れた妻と暮らしたりする人もいます。喧嘩をするとヒステリックになったり、悲劇の主人公になるイタリア男だっていっぱい存在しますし、フェイスブック依存の男も日焼け依存の男も少なくありません。新しくできた彼女を家族会議で吟味(とくにマンマの意見重視)も大いにアリです。まあ、ですから、これはある意味でイタリア人そのものの分析、と言えなくもないわけです。

 

全てが全て的中とは思っていなくても、イタリア人に混じって暮らすというのは一筋縄ではいかない、ということをしみじみ自覚させられる分析結果でございました。

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ヤマザキマリ

1967年東京都出身。1984年からフィレンツェに11年間在住、油彩、美術史等を学ぶ。1997年に漫画家としてデビュー。2010年『テルマエ・ロマエ』で第3回マンガ大賞、第14回手塚治虫文化賞短編賞受賞。シリア、アメリカ、ポルトガルを経て現在はイタリア・パドヴァ市在住。最新作は『スティーブ・ジョブズ』『プリニウス』等。平成27年度文化庁芸術選奨文部科学大臣新人賞受賞。

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