闘争心と乙女心が交錯する草間彌生の“3つの時代”

投稿日: 2017年03月05日 06:00 JST

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“水玉の女王”として知られ、世界中で高い評価を受けてきた前衛芸術家・草間彌生の70年にわたる芸術活動の全容が紹介される展覧会「草間彌生 わが永遠の魂」がついに開幕(国立新美術館にて5月22日まで)。2月21日に開催された内覧会は拍手と歓声に両手を振って応える草間に、報道陣たちから「カワイイ!」と声が上がった。

 

「草間さんは心がとてもピュアで、乙女のようにあどけないところもある方ですから(笑)」

 

そう語るのは、展覧会の監修を担当した同美術館副館長・南雄介氏。草間との出会いは25年前に遡るが、チャーミングな人柄に加え、大きく見開いた目の印象は当時と変わらないという。

 

「講演会をしていただいたことがあるんですが、昔のヌードパフォーマンスの写真を見せながら、『本当にキレイだったのよ』っておっしゃるなど、とても楽しいお話でした(笑)。いつまでも乙女チックな気持ちを持ち続けていらっしゃる方ですね」

 

東京では13年ぶりとなる展覧会は、彼女の創作の軌跡をたどる。その3つの軌跡を南氏が解説してくれた。

 

【1】創作活動初期

 

松本の旧家に生まれ、幼少のころから絵を描くことが好きだったが、封建的な考えを持つ母から絵描きになることを強く反対された草間。幻覚や幻聴に悩まされながらも絵画の勉強を続け、’52年に最初の個展を開く。

 

「京都で日本画を学び、動植物、天体などモチーフは多岐にわたります。10歳のころに描いた母の肖像画には、その後生涯のテーマとなる水玉がすでに見られます」

 

【2】ニューヨーク時代

 

美術界の師弟関係などの因習や女性であることの偏見から逃れたい一心で、28歳のときに渡米。

 

「無限の網目で空間を埋め尽くす『ネット・ペインティング』(無限の網)で、ミニマル・アートの先駆けとして評価され、布を用いた柔らかい彫刻『ソフト・スカルプチュア』、『ハプニング』と称される屋外でのヌード・デモや乱交をテーマにしたパフォーマンスを披露。ベトナム戦争に対する愛と平和のメッセージを発信するなど、時代の先端を走りました」

 

【3】東京時代

 

心身の不調を訴えるようになった草間は、’73年に帰国。東京で入院生活を送りながらコラージュや版画を数多く制作する。アメリカ生活で公私ともに支え合う存在だった美術家ジョゼフ・コーネルや実父の死が当時の作風に大きな影響を与えたとも。

 

「小説や詩などの執筆も始め、それまで造形芸術で表現してきたテーマが言葉を伴うことで観客のイメージを喚起しやすくなったと言えます。’89年にニューヨークで回顧展が開催されたのをきっかけに、世界的に草間芸術の再評価が始まり、現代の現代アートの世界的巨匠としての地位を確立させます」

 

また、展覧会では軌跡をたどると同時に、’09年から取り組んでいる大型の絵画シリーズ「わが永遠の魂」から厳選した132点を一挙に日本初公開。

 

「草間さんの作品の魅力は、ものすごく大胆なところです。斬新で独創性に富み、社会通念とか美術の世界の約束事みたいなのを軽々と超えてしまう。アウトサイダーとして孤独に歩みながらも、常に現代アートの先駆であり続けています。『200歳まで生きても描きたいものが途切れない』とよくおっしゃいますが、その創作意欲たるや、人生の全てを芸術に捧げていると言ってもけっして過言でないでしょうね」(南氏)

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