タップダンサー・熊谷和徳インタビュー(続)
投稿日: 2009年08月14日 17:00 JST
憧れのダンサー、グレゴリー・ハインズとの思い出
Q.19歳で単身アメリカに渡って、最初はどんな気分だったんですか?
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いい意味でも「自分が映画の中にいるみたい」というか、やっぱり、ずっと憧れてきた世界にいきなり入ったというか、不安というよりは「なんか楽しいー!!」って気持ちでしたね。でもやっぱり、語学をはじめ自分の目の前に立ちはだかる壁はたくさんあって、どんどん難しいこともでてきましたね。 Q.アメリカでは舞台やらいろいろ見て回ったんでしょうね。舞台はそれほど観なかったかな。とにかく街を歩き、タップの教室を探していました。なかなかやっぱり自分の思うような学校がすぐ見つからなくて。ブロードウェイって道を歩けば、たくさんタップのスクールがあるというイメージを自分の中で勝手に思っていたんですよ。でも、ブロードウェイって、じっさい行くとものすごく長い道で、それを知らなくて、ブロードウェイって場所があると思っていたから、電車に乗るときに「ブロードウェイに行きたい」って言うと後ろの人が笑うんですよ(笑)。それで、お金を5ドル持っていたから、それを出すよう言われて出したら、トークンっていうのを3枚もらって、1枚でどこまででも行けるのに3枚とも全部入れてしまってね、全然分かっていなかった(笑)。 |
Q.最初はそういう失敗を繰り返して?
そうですね、アメリカに行ってから、一つずつ覚えたという感じですね。それでまあ、すごくツイテいたと思うんですけど、憧れていたグレゴリー・ハインズや、いろんなタップダンサーの人たちが集まってくるジャズクラブみたいなところにたどり着いた。そんなに大きいコミュニティーじゃなくて、すごく小さい、ふつうのダンススクールとかじゃなくて本当にコアな場所が一ヶ所ありまして、そこに通うようになったんです。
Q.グリゴリー・ハインズとかがいるようなところですか!?そのvol.1を初めてやった3年前がスタートですね。それまでは、いまのスタジオもなくて、僕が貸しスタジオのようなところを借りて、そこにみんなが集まってきて、レッスンしていました。そのレッスン場に来ている自分の生徒たちで一番熱心な人たちを選んで、「今度こういう舞台をやるから一緒にやろう」と、そんなすごくアマチュア的なスタートだったんです。でも、こういう場所ができて、みんなも人に教え始めたりとか、それぞれ活動し始めたりとかしていて、だんだんよい傾向になってきていますね。
Q.カンパニーを拠点に、みなさんそれぞれが活躍の場を広げていらっしゃるんですね。
もう現実にそこにいました(笑)。映画とかで観ていて、「スゲーんだろうなー」と思っていた人たちみんな、ふつうに一緒に踊っている、という環境がありました。
Q.その場所にたどり着くまでにどのくらいかかったのですか?
アメリカに行って3ヶ月くらいかかりましたね。最初のうちはあまりいい先生にめぐり会えなくて、「こんなもんかなぁ」とか思っていたんですけど、でも、一人いい人に会うと、「あそこに行ったほうがいい、あそこに行け」ってそこからどんどんつながって。それでちょうど、ブロードウェイで『ノイズ&ファンク』というショーが始まって、僕と同世代のダンサーでセヴィアン・グローバーという人が活躍していたんです。もうなんか、髪形はドレッドだし服装とかもヒップホップみたいな感じで、彼は子役で『セサミストリート』とかでタップを踊ったりしていて昔から有名だったんですよね。その彼のショーがニューヨークでちょっとした社会現象になっていて、いろんなスターが観に行ったり、スティーヴィー・ワンダーとか有名な人たちとのコラボレーションが話題になったり、それもあって、90年代になってタップがすごくリバイバルみたいな感じで盛り上がったんですよ。
Q.ちょうどタップの新しい時代だったんですね。
新しいスタイルのタップが出てきて、で、その『ノイズ&ファンク』に出演するための養成学校があって、そこに僕も入学して本格的にダンスの勉強をスタートさせたんです。
Q.自分が憧れていたダンサーたちと接するチャンスが転がっているなんてすごいですよね。会いたいと思っていた人にはほとんど会ったかなぁ。直接教えてもらうこともありましたし、一緒に踊っていましたからね。 Q.それはやっぱり、アメリカに行かなければそうはならなかったですよね。いやー、アメリカに行ったのは本当に大きいですよ。 Q.その中でも一番影響を受けたダンサーは?やっぱり、グレゴリー・ハインズですね。彼がきっかけでタップを始めましたし、それに向こうに行って、じっさいグレゴリー・ハインズと一緒に練習するってことが、もうふつうにありましたから。僕が会ったときは、彼はもう50を過ぎていましたね。 |
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Q.「日本からあなたに憧れて来ました」と、若い日本人が突然「タップがしたくてアメリカに来ました」と言って、きちんと受け入れてくれるものなんですか?
ハハハ(笑)。当時、グレゴリー・ハインズに賞をあげるためにいろんな人が集まって、タップを踊るというフェスティバルのようなものがあって、「日本人はめずらしいから、ショーに出なさい」と言われて踊ったことがあったんです。で、そのときにグレゴリー・ハインズが客席で僕のダンスを観て、「すごいよかったよ」みたいな感じのことを言ってくださって、お会いできたんです。その後、何回か街でバッタリ会ったりして、なんか顔見知りみたいになって。で、ある日スタジオで何回か顔を合わせて、「ちょっと一緒に練習しよう」みたいになることがありましたね。
Q.ほかのダンサーとは何かが違うんですか?
グレゴリー・ハインズは、タップダンサーで初めて今の音楽とタップというものを結びつけた人なんです。その時代、時代で、50年代だったらジャズという音楽があって、それがたぶん70年代くらいとか60年代くらいで音楽がロックの時代になると、タップダンスとはちょっと離れてしまい一回、途絶えてしまったんです。でも、グレゴリー・ハインズが80年代ころ、その80年代の音楽とタップを結びつけてミュージシャンたちとセッションしたことでまたタップが注目を浴びたんです。で、50年代60年代に活躍していたタップダンサーが再度紹介されるようになったという流れがありました。
Q.それで90年代にリバイバル的にタップが社会現象となったんですね。
そうです。子どもだったヴィアン・グローバーも90年代にはもう大人になっていて、ヒップホップとタップっていうショーが生まれたんです。層がものすごく厚いし、やっぱりカリスマ的な要素がありましたよね。演技もできるし歌も歌うし、注目度がすごく高かった。
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熊谷和徳 kazunori kumagai+KAZ TAP COMPANY 日程:8月18日~23日 出演・演出:KAZ&KAZ TAP COMPANY ゲスト 6月18日 DJ KRUSH ※6月13日(土)10:00チケット発売!! |
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