韓英恵 「自分自身を変えたかった・・・」作品を通じ主演女優が向き合った〝ルーツ〟

投稿日: 2011年10月12日 00:00 JST

韓英恵 「自分自身を変えたかった・・・」作品を通じ主演女優が向き合った〝ルーツ〟

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過激な内容から都内の映画館や、地方映画祭などが上映を拒否し、
今年のロッテルダム映画祭では物議を呼んだ映画『アジアの純真』が15日より公開される。

2002年、北朝鮮拉致問題で反朝鮮感情がまん延している日本を舞台に、チマチョゴリを着た少女の事件から始まる物語。

この主人公の在日朝鮮人姉妹を演じているのが韓英恵さん。
日本・韓国、北朝鮮に根づく人種問題に深く切り込んだ作品だけに『演じるのがつらかった』ときもあったそう。
つらかったのはテーマの重さだけでなく、自分自身のルーツも関係していたとか。

自身の生い立ちや、名だたる監督たちと仕事をともにしてきた女優【韓英恵】にスポットをあてお話をうかがってきました。

 ――『女性自身』は、普段お読みになりますか?
「おばあちゃんがよく読んでいるので私も読みます。そのせいかおばあちゃん、芸能情報をすごく知っているんですよ(笑)」

――そうなんですね! ありがとうございます。ところで映画『アジアの純真』ですが、公開までに時間がかかったそうですね。
「内容が内容なので、公開が決まらなかったのが事実です。撮影は3年前、私が18歳のときだったので、改めて久しぶりに見て、顔や演技が初々しいなと思いました」

――台本を読んだときの感想は?
image「自分が『演じたい』と決めたのは早かったんですけど、テーマが重いので『これは本当に公開できないだろうな。無理だろうな』って思いました」

――「公開されなかったらどうしよう?」なんて思いながら撮影していた?
「はい、そうですね。そんな感じで」

――作品に、惹きつけられる何かがあった?
「自分自身がハーフなんですよね。お父さんが韓国で生まれ育って、日本でお母さんと結婚して、という。映画の舞台の2002年は私が小学6年生だったんですが、北朝鮮による拉致問題で、反朝鮮感情が日本に蔓延していたこともあり、人間関係のトラブルが多々あって、提出物の保護者の欄にあえてお母さんの名前で出したりとかして。自分が半分、韓国人であることを隠して、ずっとかかわらないように生きてきたんです。でも、台本を読んだときに、同じように見て見ぬふりをしてきた男子高校生が、自分と重なって。それで『役を引き受けよう』と思いました。自分と向き合うしかないなと

――公開云々よりも、自分が演じたいという気持ちが強かったんですね。
「そうですね。自分自身を変えたかったから」

――小さいころ、そういうことでいじめられた経験があったんですか?
image「いじめっていうか、言葉でいろいろ言われてグサグサきたことはあります。でも、『アジアの純真』に出会ってそういう考えは変わりましたね」

――どのように変わりました?
「自分と向き合って、自分が間違っていたということに気づきました。日本人と韓国人のハーフであることを受け入れなきゃいけない。無意識で避けるように生きていたので、この映画で自分自身が平和になったというか、丸くなったというか。今までトゲトゲしていたんですね、きっと」

――自分のルーツの半分は韓国だ、という事実を受け入れられるようになった?
「そうですね。自分自身の中で、それは大きかったです。撮影中は役で精いっぱいでしたけど、演じながら、いっしょにいろんなことを考えていたんでしょうね」

――そこで出た結論が……。
「見て見ぬふりは、もうやめようって。大人になったということもあるんでしょうけど、いろいろ考えるようになりました。もっとまわりを見る。いろんな人の気持ちがわかるようになったから、何かが起きても受け入れたい、そう思うようになりました」

――以前は?
「以前は、憎しみを憎しみで返すような。自分がされたことと、同じことを仕返ししたこともあったし……。本当に、役柄の子と同じ感じだったんです。さすがにテロをやろうとは思いませんけど(笑)。でも、それではいけないってわかって、それからは丸くなりました」

――では、演じる上で役柄をすごく作りこんでということはしなかったんですね!?
image「うん、なかったですね。自分をそのまま出しました」

――役柄との共通点なども多い?
「そうですね。登場する姉妹は在日朝鮮人2世なので、日本人と韓国人のハーフである私とは事情が違うんですけど、気持ち的にはいっしょだと思いました。経験してきたこととか、憎しみとか。そういう意味では演じやすいというか、気持ちがわかりました」

――監督から何かアドバイスはありましたか?
「演技面で言い回しなどのアドバイスをいただきましたけど、気持ちの面ではなかったですね」

――韓さんに丸投げ状態だったんですね。お任せという。
「はい(笑)」

――韓さんは現在20歳で、デビューが10歳。すでに人生の半分が女優人生ですね。
「あ、そうですね! 言われると(笑)」

――もともと女優志望だった?
「いや、じつはこういう仕事があることも知らなかったんですよ。スカウトされて、鈴木清順監督の『ピストルオペラ』に出ることになって、それがスタートです。そこからカメラの前に立つのが楽しくなったんです。学校より楽しくなっちゃって(笑)。別世界でしたね」

――その後も是枝裕和監督、SABU監督、塚本晋也監督など、名だたる監督さんたちとお仕事をされていますけど、今後、女優さんとしての抱負は何かありますか?
「今までもそうなんですけど、自分の役に『存在意義』がある役をやっていきたいなと思っていて……。よく、作品によって、『ぜんぜん顔が違うね』って言われるんですけど、私はそれでいいと思っているんです。映画によって、カラーが違う女優さんになりたいなって」

――今は映画を中心に活躍されていますけど、テレビドラマなどは?
image「少し前にドラマに初めて出たんですけど、映画とはまた違って大変でした。一から勉強していこうと思います」

――挑戦したい役柄はありますか?
「先ほどと同じになるんですけど、自分が演じることに意味がある役をやっていきたいですね。この映画がまさにそうでした。あとは立っているだけでオーラがある女優さんに憧れます。今後もジャンル問わずいろいろと挑戦していきたいですね。そのためには私が勉強していかなくてはならないことがたくさんあると思うので、人間力も磨いて、作品にかかわれたらいいなと思います」

――では最後に映画『アジアの純真』のPRを読者にお願いします。
「おばあちゃんが読んでいるから、ちゃんと答えないと(笑)。性別を問わず、いろんな人にこの映画を見ていただいて、いろんなことを考えて、感じてほしいなと思います。自分なりにどうしたら世界が変わるのかなということを」

――韓さん自身はどうやったら世界は変わると思います?
「ぜんぜん答えが出ないんですよ(笑)。んー、国が悪いんじゃなくて、人がよくなれば、いいんじゃないかと思うんですけど……。答えは出ないですよね。なので、この映画がいろいろなことを考えるきっかけになってほしいなと思います」

撮影/高田崇平

かん・はなえ☆

90年11月7日生まれ、静岡県出身。10歳のとき、ベネチア国際映画祭正式出品映画『ピストルオペラ』(01年)でデビュー。『誰も知ら ない』(04年・カンヌ国際映画祭出品)、『疾走』(05年・ベルリン国際映画祭招待作)と、18歳で世界三大映画祭上映作すべてに出演した。10月23 日スタートのフジテレビ系連続ドラマ「僕とスターの99日」に出演。

映画『アジアの純真』

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10月15日(土)より、新宿K‘s Cinemaにてロードショー。11月5日より名古屋シネマスコーレ、12月3日より大阪第七藝術劇場ほか、全国順次公開

監督:片鶴一貴
出演:韓英恵、笠井しげ、黒田耕平ほか

映画『アジアの純真』オフィシャルサイト
http://www.dogsugar.co.jp/pureasia

 

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