阪本順治 「M資金」を取り巻く壮大なドラマ 監督が目撃した名優の〝光景〞とは?

投稿日: 2013年10月29日 00:00 JST

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 「日常で出会えないカッコいい男は、スクリーンの中にいます! 女性読者に、男らしい俳優たちを見せてあげたい」
 『亡国のイージス』(’05年)『北のカナリアたち』(’12年)など、多くの代表作を持つ阪本順治監督の最新作は、福井晴敏原作のエコノミック・サスペンス『人類資金』。男たちが暗躍する社会派の作品だ。
 アメリカ、ロシア、タイ、日本を舞台に、戦後最大ともいわれる旧日本軍の隠し資産「M資金」の謎を追う物語。壮大なストーリーだが、日常生活とも無縁な話ではない。現実に世界を支配する金融経済がテーマなのだ。謎を追ううち、異常事態に巻き込まれていく主人公を演じるのは、佐藤浩市。
 「浩市くんはニューヨークのロケで、出番のないときは、いつもホテル近くの和風居酒屋にいました。背中を丸めて、ひとり、ちびちび酒を飲んで。東京じゃ絶対、見られない光景で、しばらく眺めていたいくらいでしたね(笑)」

 さっそうとしたスーツ姿で、キーパーソン「M」役を演じるのは香取慎吾。海外ロケに参加するにはあまりにも多忙かと思われたが、偶然にも、スケジュールに空きができたそうだ。

 「ニューヨークに着くやいなや、撮影現場入り。しかもいきなり深夜までで、たいへんだったと思います」

 そして、殺し屋に扮ふんするのは韓国出身のユ・ジテ。監督とジテの出会いは数年前、彼が日本語学校に通っていたころにさかのぼる。

 「『KT』(金大中事件を題材にした、阪本監督の映画)のセリフのチェックを手伝ってもらったり、応援メッセージを寄せてもらったり。いわば、阪本作品の陰の協力者です。今回は『日本も韓国も、先進国は豊かさについて考えなければならない』という映画のテーマを理解し、出演を快諾してもらいました」

  33年前、M資金に関する本を読んで以来「監督になったら映画にしたい」と夢を抱き続けてきたという阪本監督。多くの名優たちとともに今回、その夢をかなえた。社会を変えるとはどんなことなのか、スリリングな中にも考えさせられる大作だ。
さかもと・じゅんじ

’58年10月1日生まれ、大阪府出身。横浜国立大学在学中から石井聰亙(現・石井岳龍)、井筒和幸、川島透ら、映画監督の現場に美術助手や助監督として参加。’89年、『どついたるねん』で監督デビュー。ブルーリボン賞最優秀作品賞はじめ数々の賞を獲得。おもな監督作品に『顔』(’00年)、『闇の子供たち』(’08年)」、『大鹿村騒動記』(’11年)などがある。

映画『人類資金』
監督/阪本順治 10月19日(土)~、全国ロードショー。公式ウェブサイトは
http://www.jinrui-shikin.jp/©2013「人類資金」製作委員会

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