Googleでも採用されたマインドフルネスに学ぶ「今日を犠牲にしない生き方」

投稿日: 2015年08月04日 17:00 JST

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みなさん、“マインドフルネス”という言葉をご存じでしょうか。いま米国をはじめ、世界でこのマインドフルネスがブームになっています。

 

マインドフルネスとは、「何も決めつけたりせず、いまこの瞬間に注意を集中する状態」と定義されます。’60年代にアメリカで広まった反戦運動やヒッピームーブメント、流行っていた仏教や日本の禅ブームが源流ですが、カウンターカルチャーやスピリチュアルなものではなく、ポジティブシンキングでもリラックスのための技術でもない。かなり実用的で科学的なものです。

 

もともとは病院での治療として使われていました。慢性的な痛みを感じる患者の苦痛を緩和したり、将来への希望を失った末期がん患者に精神面での治療効果が確認されたりしたことで、急速に関心が高まってきたのです。その手法は痛みや不安を直接除去するというより、痛みや不安の存在を素直に受け入れるというもの。そして生きていることへの感受性を高め、感謝を抱き、凪のような心の穏やかさを取り戻すという、ある種の超然とした境地に達することを目的としていました。

 

しかしマインドフルネスは、その後、徐々に適用領域を拡大。最近では企業のストレス管理や社員の生産性や創造性を向上させる手段として、Googleなどの有名企業で採用されるまでに至りました。こうした実用的で科学的な側面が、米国の知識層の支持を獲得。そして、今日のマインドフルネス・ブームが作り出されたといえます。

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人間は、自分を傷つけるものを自分自身でつくり上げるところがあります。もちろん外部や他者からもたらされる要素もあるでしょう。しかし最終的にそれを自分のなかに持ち込むかどうかは、あくまで自分の判断です。つまり、幸せになれない原因は外にはない。幸せになる要素も不幸になる要素も、すべては我々のなかにあるのです。だからもしどうしても幸せだと感じられないのなら、その原因を自分のなかに探すこと。そして向き合い、受け入れることです。そうすることで、不安は結果的に消えていきます。

 

変化を受け入れる気持ちや不安に捉われない姿勢を身につけたら、どんな苦境でも自分を穏やかに眺めることができます。そもそも人間が抱く不安のほとんどは、自分の想像力によって“つくられる”もの。実際は何も起きていないのに「悪いことが起きるんじゃないか」と自分で不安や恐れを抱くのです。これは人間の想像力が豊かであるがゆえに生じる現象ですが、それが人間を苦しめる源泉になることも認識しなければなりません。

 

我々の精神、特に思考は放っておくと“いま・ここ”に集中するより、未来や過去のことばかりに注意を奪われがちです。実際、不確実な未来に怯え、後戻りできない過去に縛られることで、目の前にあることや人を疎かにし、不要なストレスを溜めているケースも多く見られます。

 

人生論や幸福論を書き始めたころから、私のところには多くの方が相談に訪れました。その多くは将来への不安に苦しんでいるという内容で、私は“明日のために、今日を犠牲にしないこと”の大切さを語るようにしてきました。「明日は必ず今日という日を通ります。だからいま目の前にある今日を感謝と好奇心を持ち、魂を込めて全力でそして楽しみながら生きること。それができれば、明日という日は必ず切り開かれていくはず。だから、なにも心配しなくていいですよ」と助言するのです。考え過ぎてしまう“頭”を先行させてはいけません。心で感じる方向へ、自分の人生を進めていく勇気を持つこと。これこそが、日々を幸せにするためのカギではないかと思います。


ジョン・キム 吉本ばなな 「ジョンとばななの幸せって何ですか」(光文社刊・本体1,000円+税)

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吉本ばなな

1964年東京生まれ。’87年『キッチン』で海燕新人文学賞を受賞しデビュー。’88年『ムーンライト・シャドウ』で泉鏡花文学賞、’89年『キッチン』『うたかた/サンクチュアリ』で芸術選奨文部大臣新人賞、同年『TUGUMI』で山本周五郎賞、’95年『アムリタ』で紫式部文学賞、’00年『不倫と南米』でドゥマゴ文学賞をそれぞれ受賞。海外でも多くの賞を受賞し、作品は30カ国以上で翻訳・出版されている。近著に『鳥たち』(集英社刊)、『ふなふな船橋』(朝日新聞出版社刊)など。

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ジョン・キム

'73年韓国・大邱生まれ。19歳で日本へ国費留学し、ハーバード大、慶應義塾大など世界の大学を渡り歩く。組織に縛られない「ノマドワーカー」の代表的存在として注目を集め、社会人版「キムゼミ」には多くの人が詰めかける。『媚びない人生』(ダイヤモンド社刊)、『来世でも読みたい恋愛論』(大和書房刊)など著書多数。
 

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